【為替に揺るがない「真の収益力」へ/北米戦略はアフターセールス】
為替に左右されない「真の収益力」の獲得を目指し、経営のかじを切るコベルコ建機。自動化技術の進捗(しんちょく)や最重点市場と位置付ける北米での戦略、さらに高度な遠隔操作技術を生かしたウクライナ復興への貢献について聞いた。
--2025年度の振り返りを
「国内は米国関税や住宅需要の低迷、働き方改革による工事遅延で需要損失が生じるなど不透明な状況が続いた。欧州や東南アジアも同様だが、米国は相対的に好調だった。円安の恩恵で利益面は確保したものの、為替影響を除いた『真の収益力』という観点では厳しさが残る結果となった」
--26年度の展望を
「25年度の経営環境と大きくは変わらないとみている。為替は円安・インフレ基調の継続が想定される中で、為替に頼らない強固な事業体への変革を確実に進める。今期は中期経営計画の最終年度だ。より収益力と魅力のある企業になるための一年にする」
--自動化・ICT建機の取り組みは
「他社と比べ、街中の建設現場における自動化の取り組みは当社が最も進んでいると自負している。単に機械を自動化するのではなく、現場全体の生産性を向上させることが本質だ。遠隔操作技術と組み合わせることで、1人のオペレーターが複数台の建機を同時に動かす発想で開発を進めている」
--中国メーカーの勢いをどう見るか
「ハードの性能差は縮まっているが、もはやハードだけで儲かる時代ではない。ユーザー現場主義に基づく対応力で対抗する。サービスやアフターセールスを含めた総合的なソリューションの提供で差別化を図る。ハードだけのコスト競争に没頭するつもりはない」
--海外の重点市場は
「最重点は北米市場だ。現地にはキャタピラーなど大手が君臨しており真正面からの競争は難しいため、当社の得意領域を見極めたニーズ対応型の戦略を取る。特にアフターセールス体制を強化する」
--ウクライナ復興・災害対応への取り組みは
「紛争国や災害地域での危険な作業で、当社の遠隔操作技術が大きく寄与できる。ここで実績を積むことで、他の地域へも展開が可能となる」
--6月末に高輪ゲートウェイの新オフィスに移転した
「神戸製鋼所グループが同じ社屋に集結した。以前は別ビルで移動に15分程度を要したが、今はふらっとほかのフロアに足を運べる。顔見知りにあいさつする機会が増え、何気ないことでもすぐに相談ができる良好な環境になった」
【横顔】
(やまもと・あきら)趣味はカメラ。休みの日にカメラ片手に思いきり歩く。歩きながら、鳥、花、人、景色など、面白いと思ったらすぐに撮影する。
