【海外展開を加速、比・豪州に重点/非セメント育成で成長】
2025年度はセメントの価格改定や静電チャック(ESC)事業の改善で増収増益を達成した。26年度もESCの伸長や価格効果でさらなる成長を見込む。今後はM&A(企業の合併・買収)や海外展開、半導体関連などの非セメント事業を育成し、セメントと並ぶ収益の柱への成長を目指す。
--25年度の振り返りを
「セメントの値上げやESCの収益改善で増収増益となったが、国内の需要減少と半導体市場の回復遅れにより、数値目標は未達となった」
--26年度の展望は
「中東情勢の影響はあるが、価格改定の効果が残ることやESCの伸長を見込んでおり、最終的には増収増益の達成を狙えると考えている」
--セメントと固化材の値上げを27年4月から実施する背景は
「中期経営計画には織り込んでいなかったが、エネルギーや原材料などの高止まりでセメント事業の利益が減少する見通しとなった。自助努力のみでの吸収が困難なため値上げを決断した」
--セメント事業と非セメント事業のバランスは
「中長期では、セメント事業と非セメント事業の利益・売り上げを半々にするのが目標だ。国内セメント需要は低迷しており、セメント単体での成長は難しい。コスト削減、海外への輸出や現地展開などで伸ばしつつ、成長の礎はESCを中心とした半導体製造装置分野や、カーボンニュートラル関連に求めていく。将来的にはセメント事業の比率が下がる可能性もあり得る」
--ESC事業の今後の展開について
「半導体需要の拡大でESCも伸びる。5月稼働の新製造棟は下期にフル稼働を見込む。能力を2倍にしたが、不足する可能性があり、次の投資も視野に入れている」
--国内の販売網強化をどう進めるか
「今年度、東京の販売店を承継する。事業承継の課題を抱える企業は多いため、良い話があれば今後も前向きに検討していく」
--海外の重点地域は
「フィリピンと豪州だ。フィリピンは需要増に合わせ輸出や工場建設を視野に入れる。豪州は共同ターミナル事業のほか、現地生コン会社の立ち上げなど川下展開を協議中だ」
--キャリア採用を増やしている背景は
「過去の合併後に採用が少なかった世代で人材不足があり、補う必要がある。またESCなど非セメント領域で専門人材が必要であり、即戦力のキャリア採用も重要だ」
【横顔】
(もろはし・ひろつね)1日1万歩平均で毎年365万歩歩くことを目標にしている。健康にも良いし、朝歩くと「今日やるべきこと」の頭の整理ができる。
