【新たな利益創出へ基盤構築/トップ主導で組織活性化】
2026年度は、新たな利益を創出できる企業体質へ転換するための「基盤構築の年」と位置付け、海外展開を加速させる。創業以来初となるテレビコマーシャル(CM)を放映するなど、さらなる社会的認知度の向上にも注力する。
--25年度の振り返りを
「値上げの効果もあり国内セメント事業の営業利益は280億円と、24年度比で増益を達成した。一方で海外事業は、金利の高止まりなどによる米国事業の不振が減益要因となった。しかし、不採算だった中国のセメント製造事業から完全撤退できたことは大きな成果だ。新たな投資への土壌を整備できた一年だった」
--26年度の展望は
「新たな利益を創出できる企業体質へと変革しなければならない。その基盤を整えるのが今年度だ。第一歩として6月に米国カリフォルニア州の生コンクリート41工場とセメントターミナル2カ所などを買収した。サンフランシスコ周辺ではデータセンターなどへの投資が見込まれ、非常に旺盛な生コン需要が期待できる」
--米国以外の海外事業について
「東南アジアではベトナム、フィリピン、インドネシアを重要な市場と位置付けており、3国とも今後の成長が期待できる。人口14億人を抱えるインドをはじめとするその他の地域についても市場調査を行っている」
--国内事業については
「人口減少下で市場規模は縮小するとはいえ、国内が引き続き重要な市場であることに変わりはない。セメントの製造工程では原料や燃料として多くの廃棄物を受け入れているため社会的責任も大きい。国内工場の稼働を決して止めるわけにはいかない」
--組織を支える従業員のエンゲージメント向上にはどう取り組んでいるか
「従業員一人ひとりを元気にすることが重要だ。トップである私が自ら動くことで本当の意味で組織が活性化し、エンゲージメント向上につながる。毎年、全支店・工場に加え、グループ会社30-40社を回って生の声を聞いている」
--昨年12月から上白石萌音さんを起用した創業以来初のCM放映、その効果は
「新卒採用の応募者が約2倍に増えた。CMで当社を知ったという学生も多く、特に事務系社員の採用で高い効果を発揮した。社会的な認知度が上がることで、社員のやる気や誇りの向上にもつながっている」
【横顔】
(たうら・よしふみ)竹下登元首相の言葉である「自分で汗をかき、手柄は人に」を実践。CMキャラクターの上白石さんと会った際に握手ができなかったことを悔やむシャイな一面も。
