【フィジカルAI搭載のヒト型ロボ/警備、検査、パトを代替可/建設現場への大量導入見込む】
スタートアップ(新興企業)のドーナッツロボティクス(東京都港区、 小野泰助代表取締役)は、 独自のフィジカルAI(人工知能)を搭載し、カメラやセンサーを通じて周囲を認識しながら自律的に行動するヒューマノイド(ヒト型ロボット)の開発・実装を進めている。 1月に発表した初号機は、 人に代わって警備などの仕事ができるものとして産業利用を始めた。 建設現場の導入実績はまだないが、狙いを定めており大量導入を見込む。
初号機の「cinnamon1(シナモン ワン)」は、人と同じ見た目(身長170cm、重量約70㎏)を持ち、二足歩行と手を使った作業が可能だ。工場や高齢者施設で使われ始めた。
建設現場をメインターゲットの一つに位置付ける。小野代表取締役は「人間の仕事を代替する視点で開発を進めてきた。建設現場では警備、検査、パトロールを実施できる」と、その性能に自信を見せる。
そこで生きるのが、ロボットをジェスチャーで操作する独自技術「サイレントジェスチャーコントロール」だ。ロボットが手ぶりや指の動きを理解し、 建設現場など騒音が大きく声が届きにくい場所でも確実に指示を伝えられる。
販売価格は1800万円、リースの場合は月40万円。比較的高額だが、「建設現場は働く人が減っていて、ヒューマノイドの需要が非常にある」とみる。実際、cinnamon1を1月に発表した後、多数の企業から引き合いがあり、特に建設会社からの問い合わせが多かったという。
今秋にはcinnamon1に比べて動きが滑らかで、バッテリーの駆動時間が6時間に延び、自動充電も可能な新モデル「cinnamon2(シナモン ツー)」を発表する。「販売は1500万円程度、リースは月35万円程度を予定している」。cinnamon1より価格を引き下げる考えだ。
同社への出資者は「上場企業の十数社」に上る。建設業界では東京証券取引所グロース市場に上場するエムビーエス(山口県宇部市)と資本業務提携を結び、「建築現場のロボット化」に向けて共同プロジェクトを展開している。
さらに、建設会社を含む数社を新たな出資者に近く迎える予定で、「出資者が現場にどんどん入れていく。来年には何千台と販売していくことになる」と建設現場への大量導入計画が進行していることを明かす。
巡視などの用途で建設現場に導入が進みつつある四足歩行ロボットとの違いには、ヒューマノイドに腕や手が備わっている点を挙げる。機器を手に持って広範囲を検査したり、扉を開けたりエリア移動するなど、「四足歩行ロボットとはレベルが全く違う仕事ができるようになる」と説く。
建設現場で同社のヒューマノイドが実施可能な作業はまだ限定的だが、 それでも「警備や検査などでROI (投資対効果)をしっかり出せる」と確信する。
