三井住友建設は14日、環境配慮型コンクリートの本格実装に向け、国内で初めてセメントを使用しないコンクリートを採用したPC斜張橋を建設していると発表した。適用案件は、東京都道路整備保全公社が東京都と締結した事業協定に基づく御岳小橋架け替え事業。同社はECI(施工予定技術者事前協議)方式の技術協力業務に参画し、2025年11月に工事に着手した。
同事業は、台風により流出した人道橋の再建を目的としている。 地球環境に配慮し、コンクリートの製造時に多くのCO2を排出するポルトランドセメントの使用量を大幅に削減する。
現場打ち部分には、ポルトランドセメントの75.5%を高炉スラグ微粉末で置換した高流動・低炭素型コンクリートを採用。さらに、主塔や橋桁のプレキャスト部材には、CO2排出量を90%削減できるゼロセメントコンクリートを適用する。
JISに規定される高炉セメントC種の高炉スラグ混合率(60%超70%以下)を上回る置換率のコンクリートを橋梁工事に適用した事例は限られており、同事業はカーボンニュートラル社会の実現に向けた先導的な取り組みになるとしている。
河川水位が高くなる出水期の河川内施工を回避しながら工事を進めている。9月現在、高流動・低炭素型コンクリートを採用したP1橋脚とA2橋台を完成させ、吉野街道側の桁橋を施工中だ。
11月の非出水期からは、P1橋脚上の橋桁構築に着手する。
また、ゼロセメントコンクリートを適用した工場製プレキャスト部材(橋桁と主塔の一部)の製作を進め、現地で架設し、28年度の供用開始を目指す。
東京都では「ゼロエミッション東京」の実現を目指し、30年までに温室効果ガス排出量を50%削減する「カーボンハーフ」を掲げ、省エネルギーの推進や再生可能エネルギー導入の拡大に取り組んでいる。インフラ整備事業においても脱炭素化を積極的に推進している。

