鹿島は、自動化施工システム「クワッドアクセル」の海外展開に乗り出す。シンガポール政府の産業開発機関JTCコーポレーション(JTC)と現地での導入に向けた共同研究を開始した。初弾として自動振動ローラー2台を連携させた施工を実証し、生産性、安全性、耐久性などを検証する。国内で実用化しているシステムが同国の環境でも十分に機能を発揮できることを確かめ、現地導入につなげる。
国土に低地が多いシンガポールでは、海面上昇対策として、沿岸域のかさ上げや埋め立てなど大規模な造成工事が今後、長期間にわたり計画されている。各種工事を効率的かつ安全に進めるため、省人化による生産性向上が重要課題となっている。
クワッドアクセルは、鹿島が国内の建設現場で実用化している自動化施工システム。自動化による省人化に加え、生産性や安全性の向上を実現している。鹿島とJTCは2019年に研究開発に関する覚書を締結しており、共同研究は覚書の枠組みの一環として進める。
実証は、JTCがシンガポール西部に設けた約1ヘクタールの実証フィールド「Bulim Autonomous Yard」で行う。新技術を実際の建設プロジェクトに導入する前に、管理された実現場に近い環境で評価するための施設で、クワッドアクセルの操作を習得した現地建設会社の社員が実験を担当する。
鹿島は共同研究を通じ、シンガポールの造成工事のニーズを把握する。初弾の振動ローラーで現地環境への適用性を確かめた上で、クワッドアクセルの最大の特長となる複数機種・建設機械の連携を生かした生産性・安全性の向上と安定した施工品質を実現できる展開の方法を探る。

