【復興特別版】わずか6年で開通! 三陸沿岸道路・山田宮古道路、復興まちづくりに期待 | 建設通信新聞Digital

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【復興特別版】わずか6年で開通! 三陸沿岸道路・山田宮古道路、復興まちづくりに期待

 東北地方整備局が東日本大震災からの復興リーディングプロジェクトとして整備を進めていた三陸沿岸道路・山田宮古道路(山田IC~宮古南IC)が19日、待望の開通を迎え、関係者約300人が盛大に祝った=写真。震災後の2011年11月に事業化された復興道路では初の供用区間で、事業促進PPPなどの導入により、わずか6年という異例のスピードで開通にこぎ着けた。
 今回開通したのは岩手県山田町山田の山田ICから宮古市金浜の宮古南ICに至る14㎞の区間。供用済みの山田道路(7.8㎞)と宮古道路(4.8㎞)とつながり、約27㎞の高速ネットワークが形成された。宮古市役所と山田町役場を約25分で結ぶ。
 この地域は大震災の津波で道路が浸水して交通ネットワークが寸断したほか、昨夏の台風10号でも道路浸水・陥没といった甚大な被害が発生。山田宮古道路の開通により、津波浸水区域を回避し、国道45号のリダンダンシー(代替性)を確保できる。
 また、三陸沿岸地域には豊富な観光資源があり、18年6月開設予定のフェリー航路「宮古港~室蘭港」などとの相乗効果を発揮することで周遊型観光の活性化を支援。さらに物流の活性化および輸送時間短縮による地域の水産業支援なども期待される。
 整備に当たっては、民間技術者チームと発注事務所が連携して事業進捗管理や関係機関との協議・調整などの業務を実施する事業促進PPPを導入し、事業期間を大幅に短縮した。山田宮古工区は鹿島・ネクスコエンジニアリング東北・中央復建コンサルタンツ・三井住友建設JVが担当した。 

石井国交相

 宮古南IC近くで行われた開通式典では、石井啓一国土交通相が「山田宮古道路の開通は三陸沿岸地域の復興まちづくりを力強く後押しするものであり、広域的な観光交流や物流効率化による水産業の活性化にも大きく貢献すると期待している。復興道路・復興支援道路の20年度までの全線開通を目指し、事業を推進していきたい」とあいさつした。
 山本正徳宮古市長も「安全・安心で円滑な通行が確保され、命の道として県立宮古病院へのアクセスも力強いものになる」と述べた。
 この後、関係者によるテープカットとくす玉開きに続いて、開通を祝うパレードが行われた。

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