【自然の中で楽しむスポーツパーク】野津田公園スポーツの森 陸上競技場をサッカーJ1仕様へ | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

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【自然の中で楽しむスポーツパーク】野津田公園スポーツの森 陸上競技場をサッカーJ1仕様へ

 東京都町田市にある野津田公園では自然の中で楽しむ総合スポーツパークとしての機能を高める。公園北側区域を拡張して、人工芝の多目的グラウンドや施設稼働率が高いテニスコートの整備を進め、約39.8haに及ぶ市最大の総合公園としての充実を目指す。

バックスタンドを約5,000席増設し約1万5,000席を確保する

 公園敷地内では、サッカーJ2のFC町田ゼルビアのホームスタジアムである町田市立陸上競技場の“J1仕様”に向けた造成工事が大詰めを迎え、2019年度にいよいよ増築工事が始まる。約39.8haの広大な敷地(野津田町2035)の核となる同競技場は、1990年に竣工した。一方、同競技場をホームスタジアムとするFC町田ゼルビアは成績面でJ2参入条件を満たしたものの、スタジアム要件が満たしていないことを理由に参入を見送られた。その後、市が2009-12年にかけて実施したリニューアル工事によってようやくサッカーJ2リーグの試合が開催可能な競技場となった経緯がある。
 市は、将来のJ1昇格を見据えてクラブチームを全面バックアップする構えだ。J1クラブライセンスの必須条件である約1万5000席をクリアするため、バックスタンドを屋根付きの3層構造に改築して約5000席増設する。工事は21年シーズンの開幕に間に合わせるため急ピッチで進む。
 造成工事はイワヲ建設(町田市)の施工で18年度から取り掛かっており、8月まで続く予定だ。陸上競技場北側斜面を切土して奥行き約8mの平地を設けるほか、切土面には法面保護として間知ブロック積擁壁を施工、雨水貯留浸透槽を設置して雨水処理対策を行う。これら造成工事と並行する形で実施設計に着手し、19年度半ばに観客席増設の建築工事が始まる。総工費は約48億円を見込む。

トップレベルのスポーツを楽しむことができる新たなにぎわいが生まれる

 市担当者は「見るスポーツを充実させる」と述べ、「プロスポーツなど規模が大きい大会に対応できる競技環境を整えることと、サッカーJ1クラブライセンスを取得できる」2点を競技場拡張の大きな理由に挙げる。
 増設スタンドは『J1リーグ戦の会場にふさわしい臨場感あるグレードの高い観戦環境の創出』がコンセプト。アメニティーの整備やホスピタリティーの創出といった快適性のほか、多用途に活用できるフレキシブルで快適なスペースを提供する。
 現在の競技場メインスタンドの規模は、RC・S造7階建て延べ9663㎡。全天候型ウレタン舗装で1周400mコースが8コース、7600㎡天然芝のフィールドを完備している。収容能力はメインスタンド2492席とバックスタンド・サイドスタンド7840席を合わせた1万0332席。
 市は地域経済への波及効果にも期待する。FC町田ゼルビアが算出したJ1昇格による経済波及効果は年間49億6300万円。J1リーグの公式戦17試合開催で、1試合当たりの観客動員数は1万2000人を見込む。
 第2次野津田公園整備では、敷地北側の約3haを拡張し、市民向けの多目的グラウンドとテニスコートを先行整備することも計画する。多目的グラウンドは、サッカーなどに対応できる人工芝の約8000㎡を想定しており、これらは19-21年度にかけて3段階で進める。
 野津田公園は、緑豊かな自然と調和した都市公園と誰もが楽しめるスポーツ拠点の両面を兼ね備えた地域に長く愛されるレガシー(遺産)として残り続けるだろう。

第2次野津田公園整備基本計画イメージ

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