【阪神高速】サイバーマネジメントシステムを導入 250㎞以上のインフラを再現、地震被害など予測 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【阪神高速】サイバーマネジメントシステムを導入 250㎞以上のインフラを再現、地震被害など予測

 阪神高速道路会社は23日、大阪市の同社で会見を開き、2019年度の取り組みを説明した。サイバー空間で同社のインフラを再現し、スーパーコンピューターなどで老朽化や地震被害、交通影響などをシミュレーションするサイバーマネジメントシステムを導入したことを明らかにした。システムを活用し、今後の補修や更新、緊急輸送の計画に生かす。

サイバー空間上に阪神高速道路全線を再現

 新たに導入したサイバーマネジメントシステム「Hi-CMS」では、デジタルツイン技術により同社がこれまで培ってきた建設や補修、点検など蓄積したデータをサイバー空間上に再現する。車両の走行時、道路にかかる負荷や地震時の被害予想、交通の流れをスーパーコンピューターなどを使い、シミュレーションすることが可能となる。幸和範社長は「250㎞以上のインフラを再現することは世界でも初めての取り組みだ」と語った。

会見する幸社長

 2018年6月に発生した大阪北部地震を再現した映像を紹介。東神戸大橋の挙動をシミュレーションした結果、実際に設置しているセンサーの計測値とほぼ一致したという。このシステムを活用することで、構造物の老朽化や地震による地盤や構造物への影響も予測することができるという。
 このほか、働き方改革の取り組みとして、受発注者間がクラウド上で情報共有するHi-TeLusを7月から本格運用する。事業の川上である調査から川下の維持管理まですべての業務に導入する。導入により、紙の削減や円滑なコミュニケーションが期待できるとしている。

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