【NEDOと東北大】世界初!全方位に連続移動可能な円形断面型クローラーの開発に成功 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【NEDOと東北大】世界初!全方位に連続移動可能な円形断面型クローラーの開発に成功

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と東北大学は、360度方向への連続移動が可能な円形断面型クローラーの開発に「世界で初めて」(NEDO)成功した。柔らかいじゅうたんや点字ブロックなどの段差、踏切内の線路の溝などもクローラーの向きを変えずに移動できる。

円形断面型クローラーを搭載した車両

 ロボットの自由な方向移動方法ではこれまで、3個以上のホイールを組み合わせて全方向移動を可能にする「オムニホイール」が開発されてきた。ただ、受動的に回転する複数個のローラーで構成しているため、凸凹に弱く、段差乗り越え性能に限界があり、車輪の接地面積が小さく柔らかい面の上ではスムーズに移動できない課題もあった。
 今回開発したクローラーは、全方向移動を実現するために必要な2つのモーターのほか、平歯車やねじ歯車などの最小限の動力伝達装置からなる単純構成とし、保守性に優れている。履帯機構の姿勢や路面状態によらず、モーターの回転方向を切り替える必要がないため、継続的に全方向への移動が可能で、歯車とチェーン、ベルトを使って摩擦電動によらない高い駆動力の伝達を実現した。軸方向の段差乗り越え高さは10mm、直交方向の段差乗り越え高さが30mm、溝踏破長さが140mmとなっている。
 全方向移動機構のベース技術になり得る応用範囲の広い機構で、総重量の大きなモビリティー用の駆動機構としての用途が期待される。

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