【記者座談会】"世界初"の「鉄筋」博覧会にぎわう/洋上風力発電拡大の流れ進む | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【記者座談会】“世界初”の「鉄筋」博覧会にぎわう/洋上風力発電拡大の流れ進む

「鉄筋EXPO2017」は3日間で1万人を超える来場者でにぎわった


A “世界初「鉄筋」の博覧会”と銘打った「鉄筋EXPO2017」が11月24日から26日の3日間、千葉市の幕張メッセで開かれたね。
B 鉄筋工事にかかわる業界団体などが実行委員会(実行委員長・館岡正一全国鉄筋工事業協会副会長)をつくり、約130者の鉄筋にかかわる企業、団体が参加した。
A 来場者数は何人だったの。
C 初日が3990人、2日目が4835人、3日目が2883人の合計1万1708人と盛況だった。もともと高めに設定していた目標の1万2000人には届かなかったものの、「成功だった」(実行委員会)としている。
B EXPOでは、最先端の国内技術・サービスを展示・実演したほか、シンポジウム、全国鉄筋工事業協会が主催した「第2回TETSU-1グランプリ」、美術系大学、専門学校と鉄筋加工会社がコラボした「鉄筋ART展」、建築系の高校生が参戦した「高校生鉄筋クイズバトル」など、業界関係者だけでなく、学生や子ども連れの家族なども楽しめるようにさまざまな催しが行われた。
A 会場はどんな雰囲気だったか。
C 鉄筋だけでつくった幅と奥行が各17m、高さが5mの巨大モニュメントが入り口に置かれていて、迫力があった。初日はシンポジウムがあったことから、ゼネコンからの来場者が多く、2日目はTETSU-1グランプリが開かれたため、鉄筋業界関係者が多かった。3日目は日曜日だったこともあり、家族連れが目立った。
B 実行委員会は、今後については「白紙」としているが、鉄筋業界の社会的認知度の向上のためにも、継続した開催を期待したいね。

新たな産業としての期待を背負う洋上風力発電

A 話は変わるけど、洋上風力発電拡大の流れが着々と進んでいる。
D その話が港湾の洋上風力発電で年度内に工事実施方法の審査指針がまとまることを指しているなら、流れを決定付けたのは、政府であり国土交通省と経済産業省の両省が連携したからだ。
E 経産省と国交省は、2016年7月から港湾区域内の風力発電施設設置手続き創設を柱にした改正港湾法が施行されたことを受け、同年9月末には電気事業法の技術基準と港湾法の基準統一含め、さまざまな審査基準策定づくりのための委員会を発足していた。
A 政府はなぜ風力発電に期待し、洋上で港湾だろうか。
D 意外と知られていないけど、なんといっても風力発電市場を構成する裾野の広さだ。部品点数が2万から3万に及ぶ自動車産業が製造業のなかで重要な位置付けになっていることを見れば分かる。風力発電の部品点数は1万程度とも言われ、産業として拡大すれば、さまざまな分野で好影響が期待できる。
E 一方、港湾区域内で洋上風力発電施設設置を支援する国交省にとって、港湾の背後地にさまざまな産業が数多く立地し電力需要が見込める中で、発電施設は港湾のポテンシャルを高め、活性化にもつながる。また、15年の長期エネルギー需給見通し決定で洋上風力に強い期待をかける経産省と思惑が一致したことも、もう1つの理由だ。
D 政府や省庁、風力発電にかかわる企業が見ているのは、目先の市場ばかりではないと思う。世界市場で日本製の洋上風力発電を拡大するために国内で実績を積み、今後、欧州企業との洋上風力発電施設の受注競争に勝ち、新たな産業を育てることが中長期戦略だと思う。

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