【堅牢快適】戸田建設と古野電気 工事進捗に合わせて簡単構築可能な無線LANシステムを開発 | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【堅牢快適】戸田建設と古野電気 工事進捗に合わせて簡単構築可能な無線LANシステムを開発

 戸田建設と古野電気は、工事進捗に合わせて無線通信環境を簡単に構築できるビル建設現場向け無線LANシステム「ウェーブガイドLANシステム」を開発した。単管パイプと電波を放射するアンテナユニットを接続して高さ方向に敷設し、アンテナユニットを通じて各フロアへ電波を放射することで、LANケーブルを敷設することなく建物内に堅牢で快適な通信環境の構築を可能とした。

内部階段への設置状況

 特長として、無線LANを使用しているため通信料を抑えられるほか、建設現場で一般的な資材である単管パイプを使用することで、インフラ整備コストを低減できる。各フロアに無線LANアクセスポイントやハブなどの機器を設置する必要がなく、電源の設置や機器の防水・防じん対応も不要だ。
 システムは、階段の開口部やパイプシャフト、ダクトスペースなどの縦空間に設置が可能で、汎用の単管クランプを使うことで、簡単に敷設・解体できる。通信範囲を拡大する場合は単管パイプとアンテナユニットを増設するだけでよく、工事進捗に合わせて簡単に拡張でき、地下階や高層階にも対応が可能だ。
 建設現場では、デジタル化が進んでおり、BIMに代表される容量の大きなデータや画像データ、IoT(モノのインターネット)対応の建設機械、検査など使うセンサー機器類が増え、通信量が増している。このため、携帯端末やIoT機器が簡単に接続できる無線LAN環境へのニーズが高まっている。
 一方で、大容量の通信はコストの増大が見込まれるほか、建設現場ではコンクリートの床や壁などが遮蔽(しゃへい)物となり、特に高さ方向への電波送信が困難といった問題点があった。
 今後、建築現場だけでなくトンネルなどの土木工事や商業施設、スタジアムへの常設など、改良を重ねて活用の幅を拡げていくとともに、5G(第5世代移動通信システム)への応用展開、共同開発によるシナジー創出に積極的に取り組んでいく方針だ。

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