【大成建設・災害対策】『シナリオブラインド』訓練実施 本社~グループ会社 総勢1.8万人が参加 | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

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【大成建設・災害対策】『シナリオブラインド』訓練実施 本社~グループ会社 総勢1.8万人が参加

 大成建設は、同社にとっての防災の日(11月の第2土曜)となった9日に、事業継続計画(BCP)に基づく「大規模災害対策訓練」を実施した。直前まで訓練の前提となる被災想定が明かされない『シナリオブラインド訓練』を採用。より現実に近い状況をつくり出すことで、実践的な課題をあぶり出すことが狙い。結果として、参加者の対応力や判断力の向上を促す。
 本社と全国の13支店の社員(約1万人)とグループ会社(全26社)の社員(約8000人)の総勢1万8000人が参加した。
 休日の早朝に本社・各支店の管内における大規模地震の発生を想定。事前に被害想定(シナリオ)が知らされていない混乱の中で、社員や家族の安否確認から災害対策本部の立ち上げ、作業所・元施工物件における被害状況の確認、得意先からの支援要請への対応など、本番さながらに一連の流れを実践した。
 例年よりも、シナリオを明かさないブラインドの範囲を拡大。発災の時刻や交通制限・通信制限の状況、施設の使用可否、社員や現場の被災状況、得意先からの支援要請の有無など、訓練の前提が直前まで明かされなかったことで、参加者それぞれが自ら考えて行動する、より実践的な対応力・判断力が問われる訓練になった。
 あえて通信手段の確保すらままならない状況をつくり出すことで実際に被災した際の混乱や課題を実感した。
 日本建設業連合会も同社に代替拠点を設置。行政からの支援要請を踏まえた対応など一連の流れを確認した。
 村田誉之社長は「1人でも多くの社員が一連の流れを経験しておくことが重要になる」と全国レベルで大規模に実践する災害対策訓練の重要性を強調した。「シナリオブラインド訓練によって改善すべき現状の課題があぶり出された。課題を着実にクリアしていくことでより強固なBCP体制の構築につなげていく」と力を込めた。

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