建築家の安藤忠雄氏の発案により大阪市北区の中之島で建設が進められていた「こども本の森 中之島」が完成した。子どもたちの素直なまなざしと感受性を大切にする「物語の聖地」にしたいという思いを具現化した「本と出会い、本を楽しみ、本に学ぶ施設」となる。壁側の本棚に陳列した1万7821冊の蔵書が森の木々のように空間を包み、子どもたちを出迎える。新型コロナウイルスの感染症の拡大防止のため、開館時期は未定としており、早期の開館が待ち望まれている。
蔵書は、日常生活や好奇心に寄り添った▽自然とあそぼう▽体を動かす▽動物が好きな人へ▽まいにち▽食べる▽大阪→日本→世界▽きれいなもの▽ものがたりと言葉▽未来はどうなる?▽将来について考える▽生きること/死ぬこと▽こどもの近くにいる人へ--の12のテーマに沿ってレイアウトした。
施設はRC造3階建て延べ約800㎡。建物外観は堂島川に沿って弓なりに伸びる形状で、東端はエントランス・ポーチと連続する水際のテラスとなっている。内部は3層吹き抜けの空間で、中心部から階段、ブリッジ通路を立体迷路のように巡らせている。
施工は竹中工務店、運営は、指定管理者の図書館流通センター(TRC)、長谷工コミュニティ、BACH(バッハ)によるJVが担当。
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