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【近年採用増加中】発注・設計・施工まで三位一体で難工事克服「ECI方式」に寄せられる期待

最終更新 | 2020/06/02 16:22

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 建設投資額の縮小、担い手不足、受注者の応札意欲の減退など事業を取り巻く環境が厳しさを増す中、時代のニーズや事業特性など本質的な課題に対応した多様な入札契約方式が模索されている。その中、近年採用が増えているのが設計段階から施工者が関与する「ECI方式」だ。これまで導入事例が少ないのが課題だったが、東京23区初として渋谷区が施工条件の厳しい「猿楽橋擁壁等更新事業」に、愛知県が愛・地球博記念公園内に設置する「ジブリパーク」整備に導入を発表し、難工事での適用に効果が期待されている。

技術協力・施工タイプ(ECI方式)


 ECI方式は、設計段階から施工者が関与することで施工の数量・仕様を確定し、発注時に詳細仕様の確定が困難な事業に対応する契約方式。2014年の公共工事品質確保促進法(品確法)の一部改正で新たに制度化された。都市部での限られた狭い空間での工事、通行止めができない重要な幹線道路の修繕工事、短期間での実施が求められる大規模災害の復興工事など、厳しい条件下で高度な技術が必要とされる難工事での調達に適している。

 一般的な工事調達の流れは、(1)基本計画(2)基本設計(3)実施設計(4)施工–となっているが、実施設計の段階から建設会社(優先交渉権者)が技術協力で参画、設計者と建設会社の2者が協力し、仕様などを明確にする。

 実施設計業務とは別に、発注者は建設会社と技術協力業務の契約を締結。その後、建設会社との間で価格交渉が成立した場合、随意契約で工事請負契約を締結できる。設計に対し施工側の観点から技術協力を行うことで、施工段階での設計変更リスク低減、建設コストの縮減検討、設計段階から施工計画を検討できるなどのメリットがある。

 国土交通省九州地方整備局は、16年に発生した熊本地震で大規模な斜面崩落を受けた国道57号の復旧ルートとなる「二重峠トンネル」の工事にECI方式を採用した。「早急な完成が望まれていたが、調査が未完了なため仕様の前提条件が確定困難である」ことを採用の理由に挙げた。設計と工事発注手続きを同時進行で進めることで、工事着手が半年以上前倒しできた。工事での大幅な変更や手戻りがなく、協議回数の減少や協議時間の短縮につながり、施工期間を1年以上短縮した。

二重峠トンネル


 地方公共団体では、限られた予算や人員の効率運用にECI方式を採用したケースもある。奈良県田原本町では16年度、橋梁補修事業に採用し、発注準備の簡略化、設計や施工を連続して実施したことで、従来では18カ月かかる工期が8.5カ月に短縮した。ECI採用の効果について「設計段階から施工者が関わることで品質向上、工期短縮を図ることができ、発注者負担の軽減により橋梁保全事業を効率よく進捗できる」と手応えを述べた。

 愛知県は「ジブリパーク」整備について「スタジオジブリのアニメーション作品の世界観を表現する建物や造形物、風景をいかに本物として作りこむかが大きな課題」と語る。質感や素材感などについて、あらかじめ最適な仕様を確定することが困難であることから、県として初のECI方式を採用した。

 大村秀章愛知県知事は「ジブリ作品の世界観を忠実に表現する建物をつくる特殊な工事になるため、実施設計段階から施工者に技術協力してもらうことにした」と導入の経緯を述べた。実施設計の段階から、施工者の知見や特別な施工技術・ノウハウなどを取り込み設計に反映させることが狙いだ。

 23区初として導入を決めた渋谷区の「猿楽橋擁壁等更新事業」は、現場の特徴として、▽側道沿いに住宅や店舗が並び周辺環境への配慮が必要▽側道が狭く仮設工や施工範囲の最小化が必要▽土木構造物の工事は桁下内での作業となるため、空間的制約が大きい–など施工条件が厳しく、標準の設計基準だけでは適切な仕様の設定が困難なことから、ECI方式の採用に踏み切った。

 入札不調による事業遅延を避けたい発注者としては、技術協力として施工予定者を選定できるのは大きなメリットだ。設計者は、施工者の技術を取り入れられる点、設計の見直しや代替案の検討を早期に行える点が利点として挙げられる。施工者は、設計内容を早期に把握して施工計画が立てられる。資機材や労務が必要なタイミングを把握でき、設計段階から工事請負を念頭に協力業者と打ち合わせし、早期着工が可能となる。

 一方、発注者に高い調整能力が求められるのが課題だ。設計者と施工者で金額の折り合いがつかない場合、発注者が主体として調整を行う必要がある。また、小澤一雅東大大学院教授らは「国内建築工事におけるECI方式の適用事例分析」の中で、「ECI方式では、工事契約金額決定時に競争相手がいないため競争性が働き難いという特性がある」と課題を指摘する。

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