【日本工営が計画支援】エリア一体型のAIデマンド配車システム 下野市で栃木県内初導入 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【日本工営が計画支援】エリア一体型のAIデマンド配車システム 下野市で栃木県内初導入

 日本工営は、地域公共交通計画の策定支援を実施している栃木県下野市でのデマンド交通の運行方式を見直し、AI(人工知能)による配車システムを活用した、住民が予約した場所に乗合タクシーを配車する、エリア一体型のAIデマンド配車システムを、同県で初めて4月1日から導入する。

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 2006年に南河内町、石橋町、国分寺町が合併して誕生した下野市では、デマンド交通を11年から導入したが、乗車1時間前までに予約が必要なことや、エリアをまたぐ運行は市役所での乗り継ぎとなることが利用者の負担となっていた。またワゴン型で乗合最大9人の車両に対し、実績では最大3人程度にとどまり、非効率な運行となっていた。

 このため、19年度から「下野市地域公共交通網形成計画策定支援業務」を受託した日本工営では、先端技術を使った公共交通システムを検討し、まちづくりと一体となった持続可能な地域公共交通ネットワークを再構築することを目指して、AIデマンド配車システムを導入し、乗り継ぎを廃止することで運行エリアを一体化し、利用者が好きなタイミングで予約することで乗合タクシーを配車できる運行方法に移行することとした。

 乗合タクシーは、地元の石橋タクシーが運行。配車システムは日本工営が複数のシステムを比較提案した結果を受け、未来シェア(北海道函館市、松舘渉代表取締役)が構築する、タクシーと路線バスの長所を掛け合わせたAIによるリアルタイムな配車計算を行うシステム「SAVS」の導入を市が決定した。

 利用に当たっては市内在住者限定の希望者が事前登録した後、電話やウェブサイトから配車予約すると、利用者の希望に最も近い場所と時間をAIシステムが自動算出し、車両情報、予定乗車時刻などの配車結果を通知する。

 今後、利便性が高いデマンドシステム導入により利用者が増加することで、地域公共交通の維持と同時に、住民の外出機会の創出や健康促進への取り組みにつながることが期待されている。



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