【果たすべき役割討論】日本初の建築学部新設から10周年 記念サミットをオンライン開催 | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【果たすべき役割討論】日本初の建築学部新設から10周年 記念サミットをオンライン開催

 建築学部10周年記念企画実行委員会(事務局・工学院大学建築学部)は15日、2011年4月に工学院大学と近畿大学に日本初の建築学部が新設されてから10周年を迎えることから、「建築学部 これまでとこれから」をテーマにした記念サミットをオンライン形式で開いた。建築学部を設置する9大学の学部長が集結し、学部創設後の研究・学びの変化や各大学の特色などをプレゼンテーションしたほか、コロナ禍で学部が果たすべき役割などを討論した。また、継続的な開催についても合意した。

 サミットには、東北工業大の石井敏学部長、日本工業大の足立真学部長、工学院大の野澤康前学部長、芝浦工大の秋元孝之学部長、明星大の村上晶子学部長、金沢工業大の蜂谷俊雄学部長、近畿大の岩前篤学部長、関西学院大の角野幸博学部長、武庫川女子大の岡崎甚幸学部長が参加した。

 冒頭、工学院大の野澤前学部長は「9大学には共通点もあれば、それぞれ個性的な部分もある。サミットで有意義な議論ができればと思っている」とあいさつした。

 各大学のプレゼンテーション後の討論では、コロナ禍の建築教育について「オンラインでは話をしっかり聞いて、一人ひとりのフィードバックもしっかりできる。逆に新たな教育の手段を手に入れた」「画面では図面のスケールがつかめない。学生もずっとイヤホンで30cm角の空間体験しかできない。本来の空間体験できないことが大きなデメリットになっている」などの意見が出された。

 ウィズ・アフターコロナで建築が果たすべき役割については、「新たな公共空間やそのマネジメントのあり方など、いままでとは違う空間の議論をきっちり進める必要がある」「建築以外のさまざまな知見も必要になっている。建築学部は情報、技術などを集約していく中心的な役割を果たせるのではないか」などの声が上がった。

 討論後、野澤前学部長は、「1回きりで終わらせたくない。毎年ではなくとも2回目をどこかのタイミングで開催できればと考えている」と、継続的なサミットの開催を提案し、各学部長の賛同を得た。



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