【乃村工藝社が新オフィス】コンセプトは「未来の働き方をつくる」 創造力を誘発 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【乃村工藝社が新オフィス】コンセプトは「未来の働き方をつくる」 創造力を誘発

RESET SPACE2のフレキシブルエリア    

 乃村工藝社は、本社ビル(東京都港区)に隣接する台場ガーデンシティビルに、ニューノーマル(新常態)時代に対応した新オフィスをオープンした。「未来の働き方をつくる」をコンセプトに、多様な働き方や価値観を生かしながらコミュニケーションを活性化し、クリエーティビティーを誘発するための仕掛けをふんだんに盛り込んでいる。ニューノーマル時代にリアルなオフィス空間の価値を高める実験の場としても機能し、運用を通じて得た知見やデータを提案活動に生かす。

 新オフィスの設置に当たっては、本社ビルに隣接するビルのテナントが空いたことを機にグループ会社を集約するため、19年度から「グループ会社拠点集約プロジェクト」を始動したが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け検討内容を大幅に変更した。

 未来の働き方をデザインするため、▽コミュニケーションを誘発するイノベーティブな空間▽オープン・イノベーション▽インスピレーションを生む場所–を展望しながら、「ニューノーマル=コロナ対応ではない」を念頭に、将来を見据えた「余白のある空間づくり」を目指した。

 拠点集約プロジェクトのプロジェクト・リーダーを務めた同社の加藤悟郎氏(事業統括本部事業推進統括部連携推進部部長)は、「若手を中心に検討協議会を設置し、ボトムアップ型の提案を反映した。最終的には100人近くが参加した。事業を成長させていくことに、よりフォーカスした」と振り返る。

 クリエイティブ・ディレクターの乃村隆介氏(事業統括本部プランニング統括部新領域創発部第1ルームルームチーフ)は、「リアルの大切さを重要視しながらつくっていった。先が読める時代には過去から学べばいいが、先の読めない時代にはインスピレーションを生む場所がより大切になる」と説明する。

 離れていたグループ会社の大半を物理的に1カ所に集約することで、偶発的なコミュニケーションの機会を活性化するとともに、社員を健康的な食習慣に導く「ウェルビーイング」を意識したサービスや、100%フェアウッドの導入などサステナビリティーの観点も取り入れている。

 新オフィスのうち、「ユニークパーク」をコンセプトにしたコミュニケーションスペース「RESET SPACE2」は、個人ワークやミーティング、イベントなど誰もが自由に使え、偶発的な出会いやイベントなどを通して意見や価値観に触れることができる多様な個性を受け入れる空間として整備した。

 エントランス、フード&ドリンク、フレキシブル、セミナーの4エリアを一体化し、使い方を規定しないことで空間に無限の可能性を与えている。

 フロアの一角にある展示ブース「ユニーク・ピーポー・セレクション」では、乃村工藝社グループの社員をリレー形式で紹介する。担当となった社員は一定期間ブースに在席し、立ち寄った人と直接コミュニケーションすることで、新たな価値創出などにつなげる。

すごろくテーブル


 設置してあるテーブルにもオリジナリティーがあふれている。ミーティングなどに使う大机は、同社グループの行動指針を表現した「漫画テーブル」や「すごろくテーブル」など個性的だ。すごろくテーブルは、開発から竣工までの仕事の流れを再現し、業務の大事なポイントやくすっと笑える「ノムラあるある」を散りばめ、遊びながら仕事を学ぶことができる。

 「CONFERIUM」(カンファリウム)と名付けたフロアには、多種多様な会議室が配置されている。会議室の使い方を「熟考」「議論」「セッション」の3つに分類してデザインすることで、それぞれの部屋で個性的なコミュニケーションが生まれる仕組みを構築した。

多種多様な会議室が配置されている


 「魅せる会議」をデザインに取り入れているのも大きな特徴だ。ガラス素材の壁を採用して外部からコミュニケーションの様子が見えるようにしながら、重要な資料やモニター画面は偏光フィルムによって見えないように工夫されている。



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