岡山市は、岡山城主要部の市有地である岡山市民会館跡地、旧内山下小学校跡地(グラウンド部分)、旧NHK岡山放送会館跡地の導入機能などの議論を進めてきた「岡山城周辺広場整備」の検討状況を公表した。「歴史を感じる、憩いの広場」をコンセプトに、広場のゾーニング、イメージパースなどを取りまとめている。
同事業は、西の丸周辺を市民や観光客が岡山城の歴史を感じながら、憩える緑の広場として整備することで、2022年にリニューアルオープンした岡山城天守閣とともに、まちの魅力向上につなげることを目的としている。
対象となる三つの跡地は、規模の大きなイベントも可能なにぎわいスペース、災害時の一時避難スペース、駐車場を視野にゾーニングした。
市民会館エリア約5000㎡は、便益施設などの配置を予定しており、石山公園などとの連続性や岡山城天守閣の視認性を考慮する。同会館は、建築家・佐藤武夫の作品として1963年に建設され、多目的ホールとして親しまれてきたが、岡山芸術創造劇場ハレノワのオープンにより、その役割を終えた。これを踏まえ、ホワイエを彩ったモザイクガラスをはじめ、特徴的な外壁タイル、中空ブロックの一部を保存し、部材の状態に応じて、広場に整備する施設の一部などに使用するとともに、八角形のデザインは広場整備に反映できるか、設計段階で検討する。
旧内山下小エリア約7000㎡は、憩いとにぎわいの広場ゾーンおよび修景ゾーンとして、岡山城の歴史性を感じられる空間とすることや西手櫓の視認性確保、庭園の遺構の保存活用などを検討している。
旧NHK岡山放送会館エリア約2400㎡は、岡山城天守閣の視認性や石垣の存在を考慮しながら駐車場などを配置する。