登録技能者数 30年度231万人/事業者数は20万社ピークに漸減/CCUS運営協が新たな見通し | 建設通信新聞Digital

5月2日 金曜日

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登録技能者数 30年度231万人/事業者数は20万社ピークに漸減/CCUS運営協が新たな見通し

CCUS登録技能者数の推移 ※2024年度以降の新規登録技能者数の推計は、2022年度及び2023年度の新規登録技能者数の前年度比の2か年平均「88.5%」と仮定し算出(2024年度は実態に併せ調整済) ※非更新技能者数の推計は(更新時点において)、「外国人の90%、70歳以上の全技能者、それ以外の離職者3%、転退職等しない技能者の10%が更新しないと仮定し算出
 国土交通省、建設業振興基金、建設産業関係団体で構成する建設キャリアアップシステム(CCUS)運営協議会は、CCUSの登録数や収支などに関して、2030年度までを期間とする新たな見通しをまとめた。登録技能者数は毎年度増加し、累計で30年度に231万人と推計した。一人親方を除く登録事業者数は、28年度の20.2万社をピークに、29年度以降漸減するとみる。20年の協議会総会で示した「20年低位推計」に代わるものと位置付けている。 19日に開いた総会で、30年度までの見通しを盛り込んだ「CCUSの中期的な事業運営のための指針」と、それを基にした25年度事業計画・収支計画を決定した。CCUSの運営主体である基金が、24年度事業計画の取り組み状況も報告した。
 「CCUSの中期的な事業運営のための指針」は、CCUSの収支が21年度から単年度黒字に転換したことや、国交省が24年7月に「CCUS利用拡大に向けた3か年計画」を策定したことなどを踏まえて定めた。
 新たな見通しを見ると、24年度末で累計162万人を見込む登録技能者数は、建設経済研究所による技能者数の将来推計も踏まえ、25年度182万人、26年度200万人、27年度216万人、28年度227万人、29年度230万人、30年度231万人とした。毎年度増加するが、次第に伸びが鈍化する見通し。
 技能者登録の有効期間は10年間のため、19年4月に本格運用が始まったCCUSの技能者更新手続きが28年度から順次始まる。帰国する外国人や高齢者など建設業界外に退出する非更新技能者数は、28年度3万5000人、29年度8万4000人、30年度10万4000人と推計し、登録技能者数の見通しから差し引いている。
 他方、24年度末で累計18万6000社を見込む登録事業者数(一人親方を除く)は、25年度19万2000社、26年度19万6000社、27年度20万社、28年度20万2000社、29年度19万9000社、30年度19万4000社と見込んだ。未登録事業者が一定程度存在するものの、事業者登録は相当程度進んでいるとして、28年度までは増加し、非更新によって29年度から減少へ転じるとしている。
 就業履歴(カードタッチ)数の単年度実績は24年度末で6068万件を見込む。これは、20年低位推計に基づく24年度目標の7800万件を下回り、23年度目標を1年遅れでクリアする水準だ。目標を達成できていないが、国交省の3か年計画などに基づくCCUSの利活用に向けた取り組みが今後広がると期待されるとして、30年度までの就業履歴数見通しは20年低位推計を据え置くすることにした。25年度1億1200万件、26年度から30年度までは各年度1億2000万件としている。
 収支に関しては、25年度以降も毎年度一定の黒字を確保可能とみる。一方、20年度まで続いた赤字によって運営主体の基金に約53億円の累積欠損が生じており、この解消が課題となっている。
 また、24年度までに積み立てた47億円を充て、25年度から次期システム更新に取り掛かるが、システム開発には不確実性を伴い、開発費が想定以上に膨らむ恐れがある。
 そのため、システム更新の進捗(しんちょく)状況を総会で毎年度確認しながら、単年度黒字の範囲内で累積欠損の解消に今後取り組むことを決めた。
 指針に基づき、25年度の単年度目標は事業計画で、技能者登録20万人、事業者登録(一人親方除く)1万5000社、事業者更新(同)3万2000社、就業履歴数1億1200万件に設定した。
 24年度の単年度実績見込みは、技能者登録が21万5000人、事業者登録(同)が1万9000社、2月28日時点申請数の事業者更新(同)が2万5000社だった。就業履歴数以外は24年度目標をクリアしている。