今治庁舎本館/丹下建築博物館にリノベ/新複合庁舎の移転後検討 | 建設通信新聞Digital

5月2日 金曜日

行政

今治庁舎本館/丹下建築博物館にリノベ/新複合庁舎の移転後検討

 愛媛県今治市は、“丹下建築”の庁舎本館と別館を「丹下建築ミュージアム(仮)」としてリノベーションし、文化的施設として活用する。市は現在、新たな複合庁舎の建設を計画しており、完成後に本館と別館の機能を移転する。駐車場は、前庭広場に再整備し、丹下健三の建築群に囲まれた「タンゲ・アートプラザ」に再編する。市がまとめたまちづくりの基本計画となる「中心市街地グランドデザイン(案)」に提案を盛り込んだ。
 丹下健三は、父親の故郷でもあり、自身も少年時代から青年時代を過ごした今治市で多くの建築物の設計を手掛けた。このうち今治市庁舎本館と同別館、公会堂、市民会館は同一敷地内にある。コの字に囲まれた駐車場跡に計画する前庭広場は、丹下健三の建築群のリノベーション・活用と一体で検討し、まちに開かれたミュージアムを象徴する広場デザインとする。2031年度以降に関係者協議に入り、36年度以降に整備に着手する予定だ。
 広小路(今治港線)は、建築群と港をつなぐシンボル性の高い街路として整備を検討する。国道317号(今治波方港線)の横断部は、街路のシンボル性が連続する在り方を探る。市役所前交差点は、かぎ型に屈折する特徴的な構造となっている。広小路の再整備と並行して、歩行動線のあり方や滞留空間の再配置、周辺敷地との一体的な活用などを模索し、歩行回遊性の拠点を目指す。