日合協の24年度アス合材製造数量/過去最低の3300万t台/歯止め掛からず4年連続減 | 建設通信新聞Digital

5月2日 金曜日

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日合協の24年度アス合材製造数量/過去最低の3300万t台/歯止め掛からず4年連続減

 日本アスファルト合材協会(今泉保彦会長)が会員企業を対象にまとめた2024年度(24年4月-25年3月累計)のアスファルト合材製造数量(速報値)は、前年度比2.6%減の3360万3900tとなった。数量にして年間200万t規模で落ち込んだ22、23年度に比べて、減少幅は小さくなったものの、4年連続の前年割れで、初めて3300万t台にとどまった。日合協会員以外も含めた全体は、3540万t程度で着地する見通しで、ピーク時(1992年度、約8000万t)の約4割の水準まで落ち込むことになる。
 24年度の製造数量の内訳は、主に高速道路や国道といった高規格道路に使われる新規合材が0.9%減の822万5657t、市町村道の新設や補修などに多用される再生合材が3.1%減の2537万8244tとなり、ともに減少した。単月ベースを見ると、前年実績を上回ったのは24年11、12月、25年1月の3カ月で、それ以外はマイナスがずらりと並んだ。
 ブロック別の製造数量によると、北海道、北陸、近畿、沖縄の4地区はプラスで、このほかの6地区はマイナス。東北、関東、四国は4期連続、中部、中国、九州は3期連続で前年度数量を下回った。県別では山形、福井、宮城、広島、鹿児島の減少幅が大きかった。
 工場の稼働率(1日5時間、月20日稼働で算出した全国の工場能力を製造数量で割った数値)の全国平均は、0.4ポイント下降して32.8%に落ち込み、こちらも過去最低となった。ブロック別で平均を超えたのは、関東(43.6%)と中部(36.4%)の2地区。このほかは30%台前半から20%台で、沖縄に至っては19.1%と2割にも届かない状況が続いている。
 全体の5%程度を占めるとされる日合協会員以外の製造数量を合わせた最終実績値の予想によると、24年度の全体数量は約3540万tと見込まれている。最終実績値は15年度以降、4100万-4200万t台で推移し、21年度はかろうじて4000万t台を死守した。しかし、22年度に一気に3880万tまで落ち込み、23年度はさらに3636万tまで減少した。ピーク時の半分もとうに割り込み、3500万t割れの可能性も現実味を帯びてきた。
 道路舗装工事に充てられる予算規模が増えない中、物価高の影響などで実質的に工事量が減少している。日合協の担当者は「資材価格の高騰・高止まり、運送費、人件費の上昇、合材需要の減少に悩まされている」と四重苦にあえぎ、工事量を確保するための舗装予算増額を第一に訴えている。