建設業界の中で保守的な印象が強かった安藤ハザマが、変革に挑んでいる。2024年10月には「建設から社会を変えていく」という思いを込め、タグライン「Be a ChangeBuilder・」を新たに策定。さらに認知向上を目指して同社初となるテレビコマーシャル(CM)の放送も開始した。担い手不足が深刻化する中、“人財”の価値を最大限引き出す環境整備を急いでいる。これらの挑戦を通じて組織風土が変わりつつある同社の舞台裏に迫った。 「新たな取り組みにやりがいを感じている」。こう笑顔で話すのは、入社5年目で広報グループに所属する伊藤桃さんだ。会社のブランディング戦略などに携わる伊藤さんは、同社が文響社(東京都港区、山本周嗣社長)とコラボレーションして制作した小学生向けの啓発冊子『うんこドリル 建設』の発行に携わった。
物語は、うんこドリルでおなじみのキャラクター・うんこいぬ、うんこねこが、学校へ向かう途中で大きなうんこの山に道をふさがれ困惑する場面から始まる。クイズ形式で計5問、うんこ先生が建設に関する問題を出題し、障害物を乗り越えながら解いていくストーリーだ。シュールでかわいらしいうんこのイラストをちりばめ、建設業が日々の生活を支える重要な職業であることを、楽しみながら学べる内容に仕上げた。
発行に当たっては、出版社が制作をリードしつつも、伊藤さんは小学生の子どもを持つ自社の女性社員などの意見を取り入れ、自らのアイデアを随所に反映させた。
例えば当初は登場キャラクターが全員同じユニホームを着ていたが、「本当の現場は違う。さまざまなユニホームのデザインを採用することで、多様性を表現した」と空想のストーリーの中でもリアリティーを追求。また、「子どもたちは働く車が好き。重機も多く登場させた」と読者目線を重視した。
「建設は、多くの人の力で成り立っている。一人ではできない業界であることを伝えたかった」と伊藤さんは思いを語る。そして、ユーモアあふれるうんこの世界観を最大限に生かした、自信作が完成した。
初版は1万部を作成。現場見学会などで活用したところ、子どもたちからも好評を得ており、確かな手応えを感じている。その後、好評を受けて増刷も行った。
うんこドリルに限らず、同社のブランディング戦略は近年“とがった”印象が際立つ。
24年10月から放送を開始したテレビCMもその一例かもしれない。同業他社が有名俳優を起用する中、あえてタレントを使わず、登場人物が社名を連呼するインパクトのある内容とすることで、認知度向上を狙った。社内外からの評判も上々だという。
これらの取り組みは採用活動などアウターブランディングの側面もあるが、伊藤さんによると、「エンゲージメント向上につながるインナーブランディングの意味合いも大きい」と説明する。社内からは「広報が頑張っているね」と声を掛けられることが増え、職場の雰囲気も変わってきたと感じている。
両親も建設業界で働く伊藤さん。業界の魅力について「多くの人の力でプロジェクトが動く。そのダイナミズムに魅了されて安藤ハザマに入社した」と振り返る。今後については、「現場で働く人のモチベーションにつながるような広報活動を展開し、会社や業界の魅力をさらに高めていきたい」と展望する。
物語は、うんこドリルでおなじみのキャラクター・うんこいぬ、うんこねこが、学校へ向かう途中で大きなうんこの山に道をふさがれ困惑する場面から始まる。クイズ形式で計5問、うんこ先生が建設に関する問題を出題し、障害物を乗り越えながら解いていくストーリーだ。シュールでかわいらしいうんこのイラストをちりばめ、建設業が日々の生活を支える重要な職業であることを、楽しみながら学べる内容に仕上げた。
発行に当たっては、出版社が制作をリードしつつも、伊藤さんは小学生の子どもを持つ自社の女性社員などの意見を取り入れ、自らのアイデアを随所に反映させた。
例えば当初は登場キャラクターが全員同じユニホームを着ていたが、「本当の現場は違う。さまざまなユニホームのデザインを採用することで、多様性を表現した」と空想のストーリーの中でもリアリティーを追求。また、「子どもたちは働く車が好き。重機も多く登場させた」と読者目線を重視した。
「建設は、多くの人の力で成り立っている。一人ではできない業界であることを伝えたかった」と伊藤さんは思いを語る。そして、ユーモアあふれるうんこの世界観を最大限に生かした、自信作が完成した。
初版は1万部を作成。現場見学会などで活用したところ、子どもたちからも好評を得ており、確かな手応えを感じている。その後、好評を受けて増刷も行った。
うんこドリルに限らず、同社のブランディング戦略は近年“とがった”印象が際立つ。
24年10月から放送を開始したテレビCMもその一例かもしれない。同業他社が有名俳優を起用する中、あえてタレントを使わず、登場人物が社名を連呼するインパクトのある内容とすることで、認知度向上を狙った。社内外からの評判も上々だという。
これらの取り組みは採用活動などアウターブランディングの側面もあるが、伊藤さんによると、「エンゲージメント向上につながるインナーブランディングの意味合いも大きい」と説明する。社内からは「広報が頑張っているね」と声を掛けられることが増え、職場の雰囲気も変わってきたと感じている。
両親も建設業界で働く伊藤さん。業界の魅力について「多くの人の力でプロジェクトが動く。そのダイナミズムに魅了されて安藤ハザマに入社した」と振り返る。今後については、「現場で働く人のモチベーションにつながるような広報活動を展開し、会社や業界の魅力をさらに高めていきたい」と展望する。