3社の売上高が過去最高/全社が営業増益、受注増4社/電設大手5社の25年3月期決算 | 建設通信新聞Digital

5月1日 木曜日

企業

3社の売上高が過去最高/全社が営業増益、受注増4社/電設大手5社の25年3月期決算

電気設備工事業大手5社 2025年3月期決算(個別)
 電気設備工事大手5社の2025年3月期決算(単体)が28日までに出そろった。業績の先行指標となる受注高はきんでん、関電工、九電工、トーエネックの4社が前期から増えた。収益面ではきんでん、関電工、トーエネック、ユアテックの4社が増収を達成し、きんでん、関電工、ユアテックの3社が過去最高を記録。利益面では全社が営業増益を達成している。懸念された24年4月からの時間外労働上限規制の業績に対する大きな影響は、各社の企業努力によってなかったようだ。
 受注が増加した4社の要因は、主に大型の工場や事務所ビル、データセンターなどの案件が挙げられる。
 増収となった4社のうち、きんでんは工場などで一般電気工事が増加し、売上高を増やした。関電工は大型の工場や店舗などで伸ばし、新築だけでなくリニューアルでも伸ばしている。トーエネックは、屋内線工事や配電線工事で増加、ユアテックは配電線工事や土木建築工事で増収となった。唯一、単体ベースで減収となった九電工は、主力の屋内線工事で減らす結果となった。
 各社ともに発注者の価格に対する理解促進、工事の生産性向上などによる利益改善の進展などもあり、全5社が営業増益を達成している。
 5社の完成工事総利益率(九電工は連結)は、きんでんが18.7%(対前年同期比3.0ポイント増)、関電工が13.2%(2.0ポイント増)、九電工が14.5%(1.2ポイント増)、トーエネックが14.4%(1.4ポイント増)、ユアテックが15.0%(2.2ポイント増)。
 手持ち工事高は、きんでんが4721億0500万円(前年度比5.2%増)、関電工が5799億3500万円(12.4%増)、九電工が4048億8700万円(1.6%減)、トーエネックが1253億9800万円(4.5%減)、ユアテックが1588億8100万円(5.4%増)となり、旺盛な建設投資を背景に3社が増加した。
 26年3月期通期の業績予想を見ると、受注増は関電工、九電工(連結)、トーエネック、ユアテックの4社、収益面では全5社が増収営業増益を見込んでいる。