
複数の鉄道会社で運転手のミスを懲戒の対象としていないことが報じられていた。懲罰的な指導が重大事故につながった過去のケースから、ミスを適切に管理する動きが広がっているという◆これは建設業でも重要だ。行き過ぎた指導が行われれば、報告をしたくないという気持ちが生じるのは人のさが。協力会社に当てはめても、取引してもらえなくなるのではないかという思惑も働きかねない◆事故をなくすための取り組みが重大事故につながっては本末転倒だ。以前、あるゼネコントップが指摘していた「ミス撲滅ではなく、ミスを災害にしないための計画やリスク評価」はまさにこの視点だろう◆近頃、心理的安全性を重視する企業も増えている。事故を憎んでミスを憎まず。現場側だけでなく、管理側も意識を改めねばならない。