京急電鉄/品川駅西口A地区は事業費1100億円増額/5月内着工、29年度開業目指す | 建設通信新聞Digital

5月14日 水曜日

関東・甲信越

京急電鉄/品川駅西口A地区は事業費1100億円増額/5月内着工、29年度開業目指す

北西からのパース
 京浜急行電鉄は、トヨタ自動車との共同事業で進めている(仮称)品川駅西口地区A地区新築計画(高輪3丁目開発計画)の総事業費を1100億円積み増し、3500億円とした。建設工事費の高騰などを理由としている。12日に公表した「京急グループ第20次総合経営計画のアップデート」の中で明らかにした。5月内に着工し、2029年度の開業を目指す。29年度までの投資額は、維持更新投資が約1600億円(うち鉄道事業1000億円)、成長投資5100億円とした。 経営計画の見直しでは、不動産事業戦略の強化に向け、不動産回転型ビジネスを推進するとした。三井住友信託銀行と私募の投資法人を新設し、5年で資産規模約1000億円を目指す。
 成長投資のうち、高輪3丁目開発には約3200億円(総事業費から投資済み分を除く)を充てる。1100億円の増額となったものの、不動産流動化をはじめとする資産売却で得た資金や負債調達で賄う。同計画の規模は、S一部SRC造地下4階地上29階建て延べ31万3100㎡。設計は大成建設が担当している。建設地は東京都港区高輪3-417-31。地下2階と地下1階を多目的ホール、地下1階から地上4階までを商業施設、5-6階をカンファレンス、7-22階をオフィス、23-29階をホテルとする。1フロア当たりのオフィス面積は国内最大級の6600㎡とする。
 同社はこのほか、品川駅周辺で「(仮称)品川駅街区地区南街区」も計画している。南-aは地下2階地上28階建て延べ20万1000㎡の事務所・店舗・宿泊施設・集会場・駅施設・駐車場などで、25年度内に駅舎躯体に着工する。ビル本体の着工は30年度ころとなる見込み。設計は日建設計が担当している。南-bは、地下1階地上9階建て延べ8300㎡で、30年度の着工、32年度の竣工を目指す。
 東京都、東急不動産と進めている「泉岳寺駅地区第二種市街地再開発」は、RC・SRC・S造地下3階地上30階建て延べ約11万2300㎡。鹿島の設計施工で着工済みだが、建築資材の高騰と埋蔵文化財調査で投資額を当初予定から増額して375億円としている。31年度の竣工を目指す。
 平和島駅前ではRC一部S造5階建て延べ4405㎡の複合施設開発を計画しているが、工事費の高騰などで事業計画を見直し中とし、規模、着工・完成時期いずれも検討中だ。ディー・エヌ・エーと共同で計画している延べ5万8000㎡の「川崎新!アリーナシティ・プロジェクト」は、27年度の着工、30年度の竣工を目指す。延べ8万5000㎡の京急川崎駅西口地区第一種市街地再開発と、延べ5万㎡の若松町1丁目地区第一種市街地再開発も25年度に着工し、30年度までに順次完成する。