大和ハウスグループに決定/免震採用、食の魅力も発信/川崎市の中央卸売北部市場 | 建設通信新聞Digital

6月4日 水曜日

関東・甲信越

大和ハウスグループに決定/免震採用、食の魅力も発信/川崎市の中央卸売北部市場

提案イメージ
 川崎市は、BTO(建設・譲渡・運営)方式を採用する「川崎市中央卸売市場北部市場機能更新事業」の事業者を、大和ハウス工業グループに決めた。同グループは、卸売市場と食品流通を一体的に合築整備する「ONEいちば」と、フードサイクルに関する多様なプログラムを配置して、食の魅力を発信する「フードパーク」からなる“Kawasaki FOOD DESTINATION”を提案した。総合評価一般競争入札し、2グループが応札した。落札金額は604億6630万2728円(税別)。総合評価点は808.0点(1000点満点)だった。
 グループの代表企業は大和ハウス工業で、建設、解体撤去、付帯事業を担当する。構成員は、東急、東急モールズデベロップメントで、その他業務(提案業務)と付帯事業を担当する。協力企業は久米設計、国分グループ本社、オオバ、大和リース、大和ハウスプロパティマネジメント、大和ライフネクスト、織戸組、デザインアーク、フジタ、横山工務店、東芝エレベータ、富士通、パシフィックコンサルタンツ。
 「ONEいちば」は、日本初の免震構造採用の市場。延べ床面積は約22万9000㎡となる。フロアイメージは、1-2階が卸売市場、4-6階が食品流通施設となる。3階はフードパークと連携するフロアで、災害時には支援物資拠点とする。無人搬送ロボットや入出荷トラック管理システム、自動フォークリフトの導入などによる、デジタル化・ロボット化を検討する。
 フードパークは延べ約7万3000㎡。“食と出会う”“食を深める”“食を育てる”を体験テーマとし、志向別にターゲットを設定する。導入機能は、フレッシュエンタメマルシェ、フードホール、菅生緑地と連動した谷戸ガーデン、食のこだわりのマーケット、エデュテイメントフードラボ&フィールドなど。緑地広場なども設ける。
 8月上旬に基本協定を締結し、10月中旬に事業仮契約を締結、12月に議会の議決を受けた後、本契約を締結する。2037年3月までを設計・建設期間とする。維持管理期間は57年3月まで。付帯事業の期間は49年354日間としている。
 老朽化が進む川崎市中央卸売市場北部市場を、新設・移転・解体を繰り返す「ローリング工事」で再整備する。履行場所は宮前区水沢1-1-1。全体敷地面積は約16万8500㎡。