鹿島は、斜杭式桟橋とドルフィンの新たな構築方法としてクロスパイルピア工法を開発し、斜杭式桟橋・ドルフィン上部工のフルプレキャスト(PCa)化を実現した。海上作業を大幅に省力化し、海上工事の期間短縮、生産性・安全性向上、環境負荷低減などが期待できるとしている。沿岸技術研究センターから「港湾関連民間技術の確認審査・評価事業」の評価証を取得した。今後、新工法を積極的に提案していく方針だ。
陸上ヤードで製作したPCa上部工と斜杭頭部の接合構造を新たに開発した。PCa上部工に杭を挿入する一般的な接合構造とは異なり、仮受管を鋼管杭にかぶせて、その上面に鋼管杭と同じ斜角の鞘管を埋め込んだPCa上部工を架設し、鞘管と鋼管杭の中に小径の接合管を挿入する工法となる。
接合手順は、最初に海上で斜めに打設した鋼管杭の上部に仮受管を設置し、その上にPCa上部工を起重機船で一括架設する。続いて、鞘管と鋼管杭の中に接合管を挿入し、シムプレート(鋼板)を接合管上部と鞘管に溶接する。最後に、無収縮モルタルやコンクリートで斜杭頭部を充てんし、PCa上部工と斜杭頭部を一体化する。
一般的な桟橋を想定したモデルケースで新工法と従来工法を比較すると、同程度の建設コストで、海上工事期間の50%、全体工事期間の15%を短縮し、現場作業に要する人員は20%、工事に伴うCO2排出量は10%削減可能と試算している。
桟橋とドルフィン上部工の構築に当たっては一般的に、足場・型枠・支保工の設置、鉄筋組み立て、コンクリート打設の一連作業を全て海上で行う。そのため、風や波浪、潮位など気象・海象条件の影響が大きく、工程遅延や施工効率低下のリスクがあった。
その解決策の一つとして、PCa上部工を陸上ヤードで製作し、海上に打設した杭の上に起重機船で一括仮設するフルPCa工法がある。この工法では一般的に、PCa上部工に杭を挿入する孔を設ける。斜杭の場合は、直杭に比べて孔が大きくなり、接合部の品質や強度を確保するための補強などで海上作業が必要なため、施工に時間を要していた。
陸上ヤードで製作したPCa上部工と斜杭頭部の接合構造を新たに開発した。PCa上部工に杭を挿入する一般的な接合構造とは異なり、仮受管を鋼管杭にかぶせて、その上面に鋼管杭と同じ斜角の鞘管を埋め込んだPCa上部工を架設し、鞘管と鋼管杭の中に小径の接合管を挿入する工法となる。
接合手順は、最初に海上で斜めに打設した鋼管杭の上部に仮受管を設置し、その上にPCa上部工を起重機船で一括架設する。続いて、鞘管と鋼管杭の中に接合管を挿入し、シムプレート(鋼板)を接合管上部と鞘管に溶接する。最後に、無収縮モルタルやコンクリートで斜杭頭部を充てんし、PCa上部工と斜杭頭部を一体化する。
一般的な桟橋を想定したモデルケースで新工法と従来工法を比較すると、同程度の建設コストで、海上工事期間の50%、全体工事期間の15%を短縮し、現場作業に要する人員は20%、工事に伴うCO2排出量は10%削減可能と試算している。
桟橋とドルフィン上部工の構築に当たっては一般的に、足場・型枠・支保工の設置、鉄筋組み立て、コンクリート打設の一連作業を全て海上で行う。そのため、風や波浪、潮位など気象・海象条件の影響が大きく、工程遅延や施工効率低下のリスクがあった。
その解決策の一つとして、PCa上部工を陸上ヤードで製作し、海上に打設した杭の上に起重機船で一括仮設するフルPCa工法がある。この工法では一般的に、PCa上部工に杭を挿入する孔を設ける。斜杭の場合は、直杭に比べて孔が大きくなり、接合部の品質や強度を確保するための補強などで海上作業が必要なため、施工に時間を要していた。