【近く2期目検討開始】
仮設工業会(豊澤康男会長)は7日、東京都港区のTKP田町カンファレンスセンターで「仮設工事におけるDX時代のレジリエンス能力向上対策に関する検討委員会」(委員長・建山和由立命館大総合科学技術研究機構教授)の2025年度初会合を開いた。2年間の成果として、効率的に仮設工事の安全性などを高めることが可能な三つのDX(デジタルトランスフォーメーション)ツールのプロトタイプの完成を報告。これでデジタル技術を活用しながら、予見・注視・対処・学習の各能力を兼ね備えた「レジリエンス能力」を高めるための総合対策が確立したことになる。 ツールの一つ、新ヒヤリ・グッジョブ(GJ)報告アプリ「KATETOS(カテトス)」は14日から、建設会社などに本格提供を始める。会合では、仕組みのさらなる発展やAI(人工知能)機能の進化に向けて、近く2期目の検討会に突入することも確認した。
同委員会は、DXを活用した安全性と生産性の向上を目指し、23年に発足。三つの分科会を設けてDXツールの開発を進めてきた。その成果が▽KATETOS▽メタバースを活用したレジリエンス能力向上のための教育プログラム▽仮設工事の安全衛生情報を加えたBIM「8D-BIM」--の三つのDXツールだ。
これらのツールを連携させて、KATETOSに報告して蓄積したヒヤリハットGJ情報を8D-BIMに入力し、それがメタバース上で再現され、アバターがメタバース内で追体験することで、個人のレジリエンス能力を高め、組織も環境改善へとつなげる仕組みに仕上げた。
この取り組みの核であり、14日にリリースするKATETOSは、ダイサン(大阪市)と共同開発したもので、スマートフォンやタブレットを使って情報を入力してもらう。タップだけでなく、写真や音声でも入力できる。ヒヤリハットからは事故に至らず災害を回避できた体験者の知恵や対処方法、GJからは安全かつ効率的に仕事を行うためのアイデアや暗黙知を現場従事者から得ることになる。報告を掘り下げるためのAIによるヒヤリング機能も実装した。
管理者画面では、リアルタイムで入力状況を確認できるほか、ヒヤリハットやGJの事例を集団分析した結果から、GJが増える現場にするための有効な対策となるアクションプランが提示される。KATETOSの基本使用料金は、1ユーザーアカウント当たり1カ月300円。
一方、メタバースを活用したレジリエンス能力向上のための教育プログラムは、杉孝と積木製作が開発した足場組立・解体トレーニング用メタバースを活用して開発した。新ヒヤリGJ報告で得られた報告を反映している。プロトタイプでは、手すり先行システム足場を対象に墜落しそうになった事例を再現。この結果から振り返り教育を行い、レジリエント対応を学べるようにした。8D-BIMは、足場の安全衛生情報パッケージとして開発を進め、3次元モデルのリスクポイントを設置し、クリックするとそれぞれの情報にアクセスできる機能や、ヒヤリGJ情報を入力できる機能なども設けた。
会合の総括で、建山委員長は「2年間でヒヤリハットとGJをICTやAIを使って分析し、それをメタバースやBIMに落とし込み連携を取ったシステムとして完成させたのはすごいこと」と高く評価し、「これを活用するとともに、ブラッシュアップもしてほしい。今後は足場だけでなく、ほかの仮設工事などの安全対策にも広げることが重要だ」と語った。
仮設工業会(豊澤康男会長)は7日、東京都港区のTKP田町カンファレンスセンターで「仮設工事におけるDX時代のレジリエンス能力向上対策に関する検討委員会」(委員長・建山和由立命館大総合科学技術研究機構教授)の2025年度初会合を開いた。2年間の成果として、効率的に仮設工事の安全性などを高めることが可能な三つのDX(デジタルトランスフォーメーション)ツールのプロトタイプの完成を報告。これでデジタル技術を活用しながら、予見・注視・対処・学習の各能力を兼ね備えた「レジリエンス能力」を高めるための総合対策が確立したことになる。 ツールの一つ、新ヒヤリ・グッジョブ(GJ)報告アプリ「KATETOS(カテトス)」は14日から、建設会社などに本格提供を始める。会合では、仕組みのさらなる発展やAI(人工知能)機能の進化に向けて、近く2期目の検討会に突入することも確認した。
同委員会は、DXを活用した安全性と生産性の向上を目指し、23年に発足。三つの分科会を設けてDXツールの開発を進めてきた。その成果が▽KATETOS▽メタバースを活用したレジリエンス能力向上のための教育プログラム▽仮設工事の安全衛生情報を加えたBIM「8D-BIM」--の三つのDXツールだ。
これらのツールを連携させて、KATETOSに報告して蓄積したヒヤリハットGJ情報を8D-BIMに入力し、それがメタバース上で再現され、アバターがメタバース内で追体験することで、個人のレジリエンス能力を高め、組織も環境改善へとつなげる仕組みに仕上げた。
この取り組みの核であり、14日にリリースするKATETOSは、ダイサン(大阪市)と共同開発したもので、スマートフォンやタブレットを使って情報を入力してもらう。タップだけでなく、写真や音声でも入力できる。ヒヤリハットからは事故に至らず災害を回避できた体験者の知恵や対処方法、GJからは安全かつ効率的に仕事を行うためのアイデアや暗黙知を現場従事者から得ることになる。報告を掘り下げるためのAIによるヒヤリング機能も実装した。
管理者画面では、リアルタイムで入力状況を確認できるほか、ヒヤリハットやGJの事例を集団分析した結果から、GJが増える現場にするための有効な対策となるアクションプランが提示される。KATETOSの基本使用料金は、1ユーザーアカウント当たり1カ月300円。
一方、メタバースを活用したレジリエンス能力向上のための教育プログラムは、杉孝と積木製作が開発した足場組立・解体トレーニング用メタバースを活用して開発した。新ヒヤリGJ報告で得られた報告を反映している。プロトタイプでは、手すり先行システム足場を対象に墜落しそうになった事例を再現。この結果から振り返り教育を行い、レジリエント対応を学べるようにした。8D-BIMは、足場の安全衛生情報パッケージとして開発を進め、3次元モデルのリスクポイントを設置し、クリックするとそれぞれの情報にアクセスできる機能や、ヒヤリGJ情報を入力できる機能なども設けた。
会合の総括で、建山委員長は「2年間でヒヤリハットとGJをICTやAIを使って分析し、それをメタバースやBIMに落とし込み連携を取ったシステムとして完成させたのはすごいこと」と高く評価し、「これを活用するとともに、ブラッシュアップもしてほしい。今後は足場だけでなく、ほかの仮設工事などの安全対策にも広げることが重要だ」と語った。