船橋市/規模・機能見直し検討/入札中止の医療C建替え | 建設通信新聞Digital

7月14日 月曜日

関東・甲信越

船橋市/規模・機能見直し検討/入札中止の医療C建替え

 工事入札が中止となった市立医療センターの建て替えを巡り、千葉県船橋市の松戸徹市長は計画の見直しを検討していることを明らかにした。7月11日、市議会第2回定例会で今仲きい子議員の一般質問に答えた。現在の計画のベースとなる基本調査を実施してから約10年が経過しており、新病院に必要な規模や機能などを改めて検証する必要があるという。今後、3年以内をめどに着工したい考え。
 松戸市長は「より良いプランが見いだせるように検討して、今後の方向性を判断したい」と述べた。
 2024年5月に総合評価型(施工計画評価タイプ)の一般競争入札を公告した「船橋市立医療センター等建替工事」は、唯一参加表明していたフジタ・ティーエスケーJVが辞退届を提出したため中止となった。その後、市は同JVにヒアリングを実施。その結果、開札時点での積算価格が予定価格に対して25%超過していることや設備業者の確保が難しいことなどが浮き彫りとなった。
 併せてゼネコン8社や設備業者20社(機械系、電気系ともに10社ずつ)へのサウンディング(対話)調査も実施した。ゼネコンは26、27年度まで、設備業者は27、28年度までは手持ち工事で手一杯と回答したほか、工事規模が大きすぎることから、分離発注を希望する企業も多い結果となった。
 市によると予定価格を25%増額した場合、利子を含めた総事業費が1000億円を超えるという。これらを踏まえ、病院の建て替え事業を進めることが困難と判断し、同じく市立柏病院の建て替えを計画している柏市と連名で、病院建設と経営に対する支援を盛り込んだ要望書を国、県に提出している。
 「船橋市立医療センター等建替工事」の予定価格は525億6000万円(税別)に設定していた。概要はS一部SRC造(免震構造)7階建て塔屋2層延べ5万3373㎡の病院本棟のほか、エネルギーセンター、自走式立体駐車場、救急ステーションの建築、電気、設備の各工事など。工期は27年11月30日までに設定していた。
 基本・実施設計は日建設計が担当した。建設地は、船橋市海老川上流地区土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業区域内の高根町372ほか。