ロッテ/34年に20ホテル4500室/日韓共同出資会社を設立 | 建設通信新聞Digital

9月5日 金曜日

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ロッテ/34年に20ホテル4500室/日韓共同出資会社を設立

(左から)ホテル事業戦略を発表した玉塚社長、福井社長、ホソクCEO
【直営の旗艦店も検討】
 日本のロッテホールディングス(HD)と韓国のロッテコーポレーションは、日韓連携によって日本国内でのホテル事業拡大に踏み切る。両社が出資して2月に設立した「LOTTE HOTELS JAPAN」(東京都新宿区、福井朋也社長)が、本格的な事業活動をスタート。2034年までに既存ホテル(2ホテル、約450室)を含め20ホテル、4500室への拡大を目指す。運営受託(MC)や賃貸借(リース)でのホテル運営を基本とするものの、自社不動産の活用も含め、東京、大阪、沖縄では直営方式による旗艦ホテル出店も検討する。 日本のロッテHDは「ロッテシティホテル錦糸町」(東京都墨田区)を展開しており、韓国のロッテコーポレーションは新潟県妙高市のロッテアライリゾートを運営していた。同じロッテグループだが連携しておらず、両社の連携でさらにリソースの効率的活用などが図れると判断した。新会社は両ホテルの運営を主要事業としつつ、ホテル開発の戦略策定や候補地・用地の選定、事業スキームの提案、運営・設計面のサポートなどを手掛ける。
 2日に都内で発表した玉塚元一ロッテHD社長CEOは、「インバウンドの4分の1は韓国からの訪日客であり、メンバーシップ会員の集客などでシナジーを発揮する」と、ホテル事業拡大戦略の狙いを説明した。ロッテコーポレーションのグループ会社であるホテルロッテのジョン・ホソクCEOは、「既存の六つのホテルブランドにさらに、クラシックブランドの強化やスーパーラグジュアリーの開発、コレクションブランドの投入など八つの新ブランドを加える」と意欲的な方針を示した。新会社は、地域特性などに応じて、これらのブランドから導入ブランドを選択する。
 既存2ホテルは直営で運営する。今後は、運営受託や土地・建物の賃貸借でのホテル運営を基本とし、既存ホテルのブランド変更(リブランド)にも対応する。出店都市は、旗艦ホテル出店を検討する東京、大阪、沖縄のほか、北海道、宮城県、富山県、愛知県、福岡県を狙う。福井社長は、「沖縄は、那覇市内とリゾート地の2ホテルの運営が必要ではないか」との考えを示した。ホテルの特徴としては、「唯一無二の体験を提供する『和心(まごころ)の恋人』として、身体・心・社会とつながるウェルネス活動をホテルコンセプトとする」と強調した。