【人材育成対策を最重視/高度人材招請に意欲】
国土交通省国土技術政策総合研究所の佐藤寿延所長は、日刊建設通信新聞社のインタビューに応じた。「国総研の役割として技術基準を定めるとともに技術開発でもトップを走っていくべきだ。その目標に向け、何をすべきなのか考えていく」と力を込める。特に「研究で一番重要なのは人材」と強調し、博士課程の大学生に向けた研究指導や高度な技術を持った民間企業の職員の招請に意欲を示す。
博士課程の学生について「学生次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)など支援制度が充実しているにもかかわらず、土木分野を選択する学生は少ない」と指摘。その状況を打開するため、連携大学院の制度を活用した研究指導を進め、人材育成を促進する考えだ。まずは筑波大との連携を準備している最中で、2027年4月からの開始を目指す。「大学との連携が深くなることにより研究の幅は広がっていくだろう」と、大学とウィンウィンの関係が構築されることを期待する。
民間企業との連携も推進する。職員の招請は現行でも交流研究員という形で行っているが、高度な技術を持つ職員の受け入れに力を入れていく。研究開発では優れた複数の技術・研究を組織や分野を横断して一つの新技術にまとめるプログラムマネジメントの導入を検討しており、「技術の目利きであるマネジャーがコーディネートして技術開発を進め、研究の加速化を図りたい」と意気込む。
3次元データを一元管理するDX(デジタルトランスフォーメーション)データセンターは利用者が1500社まで拡大している。「ユーザー目線に立って使い勝手の良いものに変えていく」と、さらなる改善に取り組む。
国総研が開発に関わったBIM/CIM積算に関する自動データ連携システムは、国際組織のビルディングスマートインターナショナルが主催する「オープンBIMアワード2025」で日本初の部門最優秀賞を受賞した。「BIM/CIMの原則適用以降、活動してきたことの一つの成果だろう」と誇る。
技術開発を通じて今後も建設業の生産性向上に貢献していく。「建設業界はほかの産業よりも労働者の高齢化や入職者の減少が進行しているため、早期に対応しなければならない。その点でDX技術の活用が大きなポイントとなる」と強調する。特に施工現場の省力化を目標に、「建設従事者の賃金が上がるといった相乗効果が表れるところまで生産性向上に努めたい」と展望する。
先進技術の中でも、特にAI(人工知能)の進歩に関心を寄せる。「生成AIからの次のステップとして、ロボットなどの自律マシンが現実の世界を認識、理解し、複雑に行動するフィジカルAIが考えられる。建設の分野にどのように取り入れるか考えていかなければならない」と見据える。
国土交通省国土技術政策総合研究所の佐藤寿延所長は、日刊建設通信新聞社のインタビューに応じた。「国総研の役割として技術基準を定めるとともに技術開発でもトップを走っていくべきだ。その目標に向け、何をすべきなのか考えていく」と力を込める。特に「研究で一番重要なのは人材」と強調し、博士課程の大学生に向けた研究指導や高度な技術を持った民間企業の職員の招請に意欲を示す。
博士課程の学生について「学生次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)など支援制度が充実しているにもかかわらず、土木分野を選択する学生は少ない」と指摘。その状況を打開するため、連携大学院の制度を活用した研究指導を進め、人材育成を促進する考えだ。まずは筑波大との連携を準備している最中で、2027年4月からの開始を目指す。「大学との連携が深くなることにより研究の幅は広がっていくだろう」と、大学とウィンウィンの関係が構築されることを期待する。
民間企業との連携も推進する。職員の招請は現行でも交流研究員という形で行っているが、高度な技術を持つ職員の受け入れに力を入れていく。研究開発では優れた複数の技術・研究を組織や分野を横断して一つの新技術にまとめるプログラムマネジメントの導入を検討しており、「技術の目利きであるマネジャーがコーディネートして技術開発を進め、研究の加速化を図りたい」と意気込む。
3次元データを一元管理するDX(デジタルトランスフォーメーション)データセンターは利用者が1500社まで拡大している。「ユーザー目線に立って使い勝手の良いものに変えていく」と、さらなる改善に取り組む。
国総研が開発に関わったBIM/CIM積算に関する自動データ連携システムは、国際組織のビルディングスマートインターナショナルが主催する「オープンBIMアワード2025」で日本初の部門最優秀賞を受賞した。「BIM/CIMの原則適用以降、活動してきたことの一つの成果だろう」と誇る。
技術開発を通じて今後も建設業の生産性向上に貢献していく。「建設業界はほかの産業よりも労働者の高齢化や入職者の減少が進行しているため、早期に対応しなければならない。その点でDX技術の活用が大きなポイントとなる」と強調する。特に施工現場の省力化を目標に、「建設従事者の賃金が上がるといった相乗効果が表れるところまで生産性向上に努めたい」と展望する。
先進技術の中でも、特にAI(人工知能)の進歩に関心を寄せる。「生成AIからの次のステップとして、ロボットなどの自律マシンが現実の世界を認識、理解し、複雑に行動するフィジカルAIが考えられる。建設の分野にどのように取り入れるか考えていかなければならない」と見据える。














