都道府県・政令市 適用下限額に乖離/総合評価、低入調査の要件/国交省調査 | 建設通信新聞Digital

1月19日 月曜日

行政

都道府県・政令市 適用下限額に乖離/総合評価、低入調査の要件/国交省調査

 国土交通省が都道府県や政令市のダンピング(過度な安値受注)対策を調べたところ、地方自治体によって総合評価方式を採用する工事金額と低入札価格調査制度を導入する工事金額に乖離(かいり)があることが分かった。総合評価方式を採用する工事の下限額よりも、低入札価格調査制度を導入する工事の下限額が高く、実質的に総合評価方式でダンピング対策が行われていない可能性がある。このため、国交省は総合評価方式を採用する全ての工事で低入札価格調査を導入するよう呼び掛ける。 現状、全ての都道府県と政令市で低入札価格調査制度か最低制限価格制度のいずれかを導入しており、ほとんどの団体は中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)モデル相当以上の水準で運用している。地方自治法施行令により総合評価方式では最低制限価格を設定できないため、ダンピング受注の防止には低入札価格調査制度の導入が求められる。
 調査は10日から始まる2025年度下期ブロック監理課長等会議に先立ち実施した。各団体の低入札価格調査制度の金額要件を調べた結果、総合評価方式の金額要件と比べて高く設定されている団体があることが分かった。
 ある市では総合評価方式を採用する工事金額が5000万円以上だった一方、低入札価格調査制度の対象工事は5億円以上に設定されていた。別の県では総合評価方式の金額要件は1000万円以上で、低入札価格調査制度の金額要件はWTO対象の27億2000万円以上となっていた。
 低入札価格調査制度の適用対象に下限を設けることはダンピング対策の不備につながりかねず、国交省は総合評価方式を採用する全ての工事を低入札価格調査制度の対象とすることが望ましいとの認識の下、該当の団体には下限額の引き下げなどダンピング対策の対象拡大を要請していく。
 調査では、低入札価格調査の特別重点調査の導入状況も確認した。都道府県・政令市のうち導入済みは約4割の24団体で、前回の22年調査と比べて9団体増加した。
 このうち24年度に特別重点調査を実施したのは9団体だった。調査実施の課題として、「積算内容や施工体制の確認などの審査に時間を要するため、契約担当の負担が大きい」(高知県)、「調査実施の作業負担が大きい」(岩手県)といった意見が寄せられた。
 特別重点調査を導入しない理由には、「事務負担増加が課題」(山形県など)といった意見が出た一方、「失格基準を設けている」(横浜市)、「低入札価格調査で国の特別重点調査と同程度の調査を実施している」(千葉県)など対策を講じているとする意見もあった。