公共事業費 総額10.2兆円/補正分は3.6兆円/25年度予算規模 | 建設通信新聞Digital

12月20日 土曜日

行政

公共事業費 総額10.2兆円/補正分は3.6兆円/25年度予算規模

 政府が8日に2025年度補正予算案を開会中の臨時国会に提出したことで、25年度の一般会計の公共事業予算規模は、受託工事の人件費や公共事業費負担金などを除いた土木分野の「公共事業関係費」が7兆7439億円、船舶建造費なども含む建築分野の「その他施設費」が2兆5256億円で、土木分野と建築分野を合わせた「公共事業費」の総額は10兆2695億円となった。公共事業費のうち、経常部門歳出分や出資金分、貸付金分を差し引き、空港燃料税や電波利用料による整備費などの特定財源見合いを加えた「投資部門」で見た公共事業費は、公共事業関係費8兆5609億円に、その他施設費2兆5437億円を足した11兆1046億円となっている。
 25年度補正予算案の公共事業費は、公共事業関係費2兆3244億円、その他施設費1兆3044億円の計3兆6289億円。ただ、当初予算の公共事業関係費から22億円、その他施設費から2600万円を減額補正しているため、実質の追加額は公共事業関係費2兆3222億円に、その他施設費を足した計3兆6267億円となる。人件費なども加えた一般会計の歳出予算経費別での公共事業関係費は、当初予算の6兆0857億円に補正予算案の2兆5398億円を合わせた8兆6255億円になった。
 25年度補正予算案は、臨時国会で成立すれば今後編成する26年度予算案と事実上一体的に組む「15カ月予算」として執行することになる。
 補正予算案で「生活の安全保障・物価高への対応」に計上した8兆9041億円のうち、1355億円を配分した地域交通の維持・物流体制維持への支援には道路整備496億円などを充てる。
 「危機管理投資・成長投資による強い経済の実現」への計上額は6兆4330億円。このうち2兆9502億円を充てる防災・減災・国土強靱化の推進には、自然災害からの復旧・復興(能登など)に7417億円、令和の国土強靱化実現に2兆2086億円などを計上した。
 補正予算案の公共事業費のうち、その他施設費の計上額は、公立文教施設整備費が2709億円と最も多い。このほかは、国産農産物生産基盤強化など対策費1118億円、国立大学法人施設整備費837億円、廃棄物処理施設整備交付金510億円、児童福祉施設など整備費407億円など。
 また、防衛力基盤強化施設整備費の防衛本省分として1772億円を計上。当初予算分と合わせ5693億円となった。防衛装備庁分も足した全体の防衛力基盤強化施設整備費は、補正予算案分1175億円に当初予算分を合わせると5948億円に上る。
 財投4兆4777億


 「第2の予算」といわれる財政投融資計画では、総額4兆4777億円を同計画に追加する。追加額は日米関税合意に基づく投資イニシアチブの着実な履行などに向け、海外事業展開する企業への出融資などに必要な資金として国際協力銀行に4兆0850億円、海上輸送効率化事業支援に必要な資金を鉄道建設・運輸施設整備支援機構に95億円、半導体関連産業や省エネ・再エネ、GX(グリーントランスフォーメーション)など官民連携の成長投資による強い経済実現や、地域基幹産業活性化などにつながる民間の取り組み推進で日本政策投資銀行に1000億円など。
公共事業関係費債
務負担2170億

 国庫債務負担行為は8898億円を追加設定し、うち公共事業関係費(土木分野)には2170億円を設定している。このほか、グローバルサウス未来指向型共創など事業費補助に616億円、提供施設移設整備に1603億円、自衛隊施設整備に445億円などを追加で設定した。
  GX費5247億


 エネルギー対策特別会計の脱炭素成長型経済構造移行推進対策費(GX推進対策費)は「GX経済移行債」を活用し、事務費も含み5247億円となった。うち環境省に2185億円を計上した。経済産業省は、GX推進対策費に電源開発促進勘定や先端半導体・人工知能関連技術勘定への繰り入れも含めて4374億円。移行債発行による歳入は、補正予算案で6283億円を見込み、25年度の合計で1兆3541億円とした。