ダンピング対策の徹底要請/補正成立で施工確保通知/国交省 | 建設通信新聞Digital

12月25日 木曜日

行政

ダンピング対策の徹底要請/補正成立で施工確保通知/国交省

 国土交通省は、2025年度補正予算の成立を受けて、公共発注者に対して工事の円滑な施工確保を要請する文書を17日付で発出した。ダンピング(過度な安値受注)対策を強化するため、低入札価格調査制度を適用する工事の下限額の引き下げなどの対応を促した。入札契約適正化法の全面施行に伴う入札金額内訳書の様式見直しや記載内容の確認徹底も働き掛けた。 要請文書は不動産・建設経済局長名で発出。府省庁や特殊法人には財務省主計局長、都道府県や政令市には総務省自治行政局長との連名で通知した。
 ダンピング対策の徹底に向けて、低入札価格調査制度の適用下限額の引き下げを要請した。一部の地方自治体では、総合評価方式を採用する工事の下限額よりも低入札価格調査制度を導入する工事の下限額が高く、ダンピング対策の実効性が十分でないことが国交省の調査で明らかとなっており、適切な対応を改めて求めた。
 改正法の全面施行により、労務費、材料費、法定福利費(事業主負担分)、安全衛生経費、建設業退職金共済掛け金を記載した入札金額内訳書の提出が建設業者に義務化されたことを踏まえ、内訳書の様式を適切に見直すよう要請した。公共工事での適正な労務費の確保に向けて、労務費ダンピング調査のガイドラインを踏まえた内訳書の確認も求めた。
 夏季の猛暑を念頭に、受注者から休工や時間変更といった対策の申し出があった場合の適切な対応を促した。適正な工期設定に当たり、地域の実情を踏まえながら月単位や週単位での週休2日に対応するよう要請した。
 第1次国土強靱化実施中期計画に定める事業の着実な推進に向けて、地域建設業との意見交換などを通じて円滑に施工できる環境を整備するよう働き掛けた。
 計画的な発注や中長期の発注見通しの公表、適正な予定価格の設定、設計・契約変更の適切な実施、施工時期の平準化、物価変動への対応なども改めて要請した。