奥村組/爆薬遠隔装てん装置を開発/肌落ち災害防止へ | 建設通信新聞Digital

2月5日 木曜日

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奥村組/爆薬遠隔装てん装置を開発/肌落ち災害防止へ

爆薬遠隔装てん装置の構成
システム概要
 奥村組は、山岳トンネル工事の爆薬装てん作業において、装薬孔(爆薬を装てんする穴)内が崩れた場合でも遠隔で装てんできる「爆薬遠隔装てん装置」を開発した。肌落ち災害の危険性がある切り羽鏡面での人力作業を不要にし、作業の安全性向上を図る。従来は人力で行っていた装薬孔内の岩片除去作業と爆薬装てん作業を、切り羽から2m以上離れた位置で、ドリルジャンボのオペレーターと作業員の2人で安全に実施できるようになった。同社は今回の技術開発を皮切りに、山岳トンネル工事の将来的な自動化を見据えた取り組みを加速する。 発破掘削を採用する山岳トンネル工事では、切り羽鏡面へのコンクリートの吹き付けや装薬孔の穿孔(せんこう)を機械で行うが、その後の爆薬装てん作業は鏡面直下での人力作業となるため、肌落ちによる災害発生のリスクがあった。装薬孔内が崩れて岩片で閉塞(へいそく)した場合、岩片除去のために切り羽鏡面に近接して作業する必要があり、危険性が高まる。
 開発装置は、ドリルジャンボのブーム先端のガイドシェルに装着する。装置の先端には爆薬を装薬孔内に供給する「装てんパイプ」と岩片を破砕する「先端コーン」を備えている。本体後方には空気や水を供給する「給気・給水孔」を設け、爆薬を圧送する仕組みとした。
 静電気による誘爆リスクを排除するため、「装てんパイプ」はカーボンファイバーを主体とする非鉄製に、「先端コーン」はステンレス製にした。装薬孔内に岩片が崩落して装てんパイプを所定位置に挿入できない場合は、先端コーンで岩片を破砕し、空気や水で装てんパイプ外側面へ押し出して除去する。
 装置とドリルジャンボ付近に設置した装薬機を、市販の非耐電式耐圧ホース(装てん用ホース)で接続して爆薬を遠隔で装てんするシステムを構築した。
 NEXCO中日本名古屋支社発注で同社が施工する「東海環状自動車道養老トンネル北工事」で実証実験した結果、6段階のステップで操作性などを検証し、多亀裂性地山でも確実に爆薬を遠隔装てんできることを確認した。
 現場での早期適用を目指し、さらなる実証実験を重ねるとともに、爆薬装てんに関する追加技術の検討を進め、システムをブラッシュアップする。