日本建設業連合会土木本部の蓮輪賢治本部長ら幹部は10日、この1カ月の間に全国9地区で国土交通省各地方整備局などと順次開催してきた「2026年度公共工事の諸課題に関する意見交換会」の締めくくりとなる九州地区の終了後、福岡市内のホテルで全体を振り返る総括記者懇談会を開いた。初めて土木本部トップの立場で意見交換会に臨んだ蓮輪本部長は「各地方整備局や地方自治体、関係発注機関の方々に、本当に真摯(しんし)に、そして率直に回答をいただいた。この場では今に始まったことではないだろうが、発注者・受注者の上下関係ではなく、双方がウィンウィンになるために、対等な立場で忌憚(きたん)のない意見交換ができた」と感想を述べた。
蓮輪本部長は続けて、「働き方改革や生産性向上、担い手確保、さらには公共事業予算の規模拡大や入札制度の改善などについて議論を重ねたが、各テーマは決して独立したものではなく、相互に密接に関係している課題だと再認識した。選ばれる産業となるために、官民一体で改革を推進していくための意見交換会には、非常に大きな意味があると感じた」と話した。
意見交換会の進行役を務めた清水琢三副本部長は「週休2日の定着や時間外労働上限規制の順守という観点からすると、働き方改革は確実に進展している。今後は、関連産業の上限規制対応による影響や休日に対する高いニーズ、重要課題として浮上してきた猛暑対策などを含め、個々の現場ごとの柔軟な働き方が問われてくる。まずはやはり、適切な工期と現場の実態に見合った工費での当初発注が重要で、プレキャスト化やi-Constructionといった生産性向上の取り組みを設計や発注段階から織り込むことも必要になる。全体最適の視点が大切だ」と指摘した。猛暑時の体系的な積算基準の在り方を模索する必要性にも言及した。
国谷一彦副本部長は「回を重ねるごとに、自治体や関係発注機関の施策も進展し、国に追い付いてきたと感じている」と振り返った。今年は特に、「総合評価の単独1位の割合が上昇してきていることや、技術提案評価SI型の拡大意向が示されたこと」に成果を見た一方、「プレキャスト化は実態としてなかなか進展していない」ことを課題に挙げた。プレキャストに関しては「猛暑対策にも有効という新たな視点などを含め、さまざまな価値を業界としても積み上げて明示していきたい」との考えを示した。また、生産性向上方策の好事例を横展開するとともに、提案が却下されたケースを整理し、その理由を分析することも重要との私見を加えた。
