国土交通省が地方自治体を対象に行った調査によると、地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)を実施または検討している担当部署は約1割にとどまった。未導入の団体からは予算不足や責任の所在を課題に挙げる声が多い。28日の会合で委員からは地方自治体が群マネ導入に踏み切るきっかけとなる「トリガー」が必要との意見が相次いだ。
インフラマネジメントの実態把握のため、4、5月に都道府県、政令市、市区町村の計1788団体に調査を実施し、回答率は71.4%だった。同様の調査は2018年以来となる。
群マネの取り組み状況をインフラ担当の部署に聞いたところ、「実施している」は5%、「検討している」は4%と合計で1割にとどまり、「実施・検討していない」が85%と大勢を占めた。実施・検討していない理由は「予算がない」「相談者がいない」「責任の所在が不明確」などの回答が多く、国に対して財政支援や自治体間の議論のリードを求める声が寄せられた。
インフラマネジメントでリスクが大きい箇所などを優先する「重点化」は22%、維持すべき施設を最適化する「軽量化」は6%、「両方」は7%の部署で実施していた。メリハリをつけていない自治体からは優先順位が難しいとする回答があった。
維持管理を効率化する新技術を導入していない部署は77%を占め、コスト面や人材面に課題を感じていた。市民に対して何らかの形でインフラの状況を公表していた部署は約半数だった。
28日に開いた社会資本整備審議会・交通政策審議会のインフラマネジメント戦略小委員会で国交省が調査結果を報告した。
小林潔司京大経営管理大学院特任教授は、群マネ導入や市民への見える化に向けて「流れを変えるトリガーが必要」と主張。足立泰美甲南大経済学部教授もインフラメンテナンスの改善策のみでは限界があるとし、「改善から再編に移行するトリガーと、決断を現場だけに背負わせないガバナンス」が求められるとした。
野口貴公美一橋大学副学長は、自治体の担当者向けに群マネ導入を促す仕組みが必要と指摘し、群マネの手引改定などを提案した。
