【鍵は「価格転嫁と生産性向上」/海外事業、園芸博がけん引】
ニシオホールディングスの2026年度9月期の上期決算は、売上高が前年同期比3.3%減の1078億円、経常利益が5.9%減の105億円となった。建設・イベント分野ともに事業量は十分にあるとの認識を示し、通期では増収増益を目指す。その鍵を握るのが「価格転嫁と生産性向上」と語る西尾公志社長に今後のかじ取りを聞いた。
--25年の振り返りと26年の見通しを
「建設分野は事業の谷間にあるが、秋から本格的に動き出すのではないか。イベント分野は、遊休地を活用したイベントの引き合いが多い。海外事業はアジアとオーストラリアがけん引した。マレーシアとベトナムでは、データセンターの物件が好調だった。オーストラリアは堅調で事業も豊富だ」
「27年に横浜で開かれる国際園芸博覧会に関連したイベントの引き合いは増えてきている。建設分野も30年までの事業量は十分あると見込んでいる。価格転嫁と生産性向上が今後の鍵となるだろう」
--課題解決の取り組みは
「フロント業務など、人手のかかる業務にAI(人工知能)を活用したい。電話・メールでの問い合わせ、営業担当者への直接の連絡など、引き合いだけでもさまざまだ。スピード感が求められるもの、時間をかけて進められるものもある。作業内容を標準化し、AIを活用すれば効率化できるはずだ。仮想空間で資機材の配送計画をシミュレーションするシステムも実験している。効率化と仕事自体のおもしろさを両立させることが担い手確保にもつながる」
「価格転嫁を進めるために価格以外の価値を高めたい。現場の皆さんに教えていただきながら、ソリューションを提案することにより、当社の『ファン』を増やしたい」
--市場環境について
「公共事業費や民間投資額自体は増えているものの、件数は増えていない。コスト上昇や資材供給不足、 人手不足などにより、一時は現場がストップするのではないかと噂されることもあったが、現在はそこまで切迫した状況にはない。 しかし、車両などの機械価格は急速に上がり続けている。人手不足も顕在化し、特に若手技能者が深刻だ」
「こうした課題解決のために『産業連携』に力を入れている。例えば、咲洲エリアを『建設産業の若い担い手やスタートアップ(新興企業)の育成の場』として位置付けようと、大阪公立大と共同研究をスタートした。この秋には地元建設業・専門工事業の経営幹部向けの交流セミナーを開く予定だ」
【横顔】
(にしお・まさし)万博関連事業の多くに参画して構築した海外企業とのネットワークを生かし、海外展開の拡大を狙う。将来的にはブリスベン五輪や日伊ビジネスグループへの参加も視野に入れている。
