【重点拡大製品の拡販推進/曲がる太陽電池に総力】
積水化学工業は、2026年度に3年間の新中期経営計画を始動させた。給排水管や建築部材の生産・販売を基盤とする環境・ライフラインカンパニーは、SPRなど重点拡大製品の拡販に力を注ぐ。新規のフィルム型ペロブスカイト太陽電池(PSC)事業では、脱炭素という地球規模の社会課題解決を目指し、総力を挙げて立ち上げに取り組む。
--25年度の振り返りを
「中期経営計画『Drive 2.0』の最終年度で、目標の一つである営業利益1150億円を残念ながら達成できなかった。メディカル事業の減益が主因で、25年度下期から構造改革などを進め、収益性の改善に取り組んでいる。ただ、住宅カンパニーは大幅増益で、環境・ライフラインカンパニーも増益を確保するなど、全体的に稼ぐ力は悪くないと評価している」
--26年度の展望は
「27年3月期の連結業績は、売上高1兆4084億円、営業利益1150億円と予想する。営業利益は前中計の事業目標値から変えていない。ここに再挑戦する」
「環境・ライフラインカンパニーは、重点拡大製品として、合成木材のFFU、下水道管路更生のSPR、耐火・不燃ウレタンの量的拡大を図る。SPRでは、全国特別重点調査で対策の優先度が高いとされた大口径の下水道管路を積極的に受注していきたい」
--フィルム型PSC事業の方向性は
「3月に事業開始を発表し、地方自治体などへの販売を始めた。27年度に100メガワットの生産ラインを立ち上げる。28年度には売上高250億円以上を確保して黒字化を目指す。30年までに1ギガワットの生産ラインを構築する。災害時に避難所となり、社会課題の優先度が高い体育館から供給を進める。公共施設から戦略的に始め、その後に民間施設へと広げていく」
「耐久性を高めたり、変換効率を上げたりする基礎技術は、高機能プラスチックカンパニーの技術を使っている。施工・設置するのは環境・ライフラインカンパニーの技術、住宅での研究は住宅カンパニーで対応できる。だからこそ、この事業は三つのカンパニーを手掛ける当社がやらなければならないテーマだ。社会実装が進めば、街全体が発電所になり、CO2排出量の削減に貢献できる。そうした街を世界中につくることで、地球規模のイノベーションを起こしたい」
--M&A(企業の合併・買収)戦略は
「新中計で前中計と同じ3000億円のM&A投資枠を確保した。足し算ではなく、掛け算をするイメージで、現有事業に近く、技術面や事業面でシナジーがある領域を狙っていく」
【横顔】
(しみず ・ いくすけ)靴磨きが趣味。休日に自らの手で汚れを落としたり、 ワックスを塗ったりながら、靴に刻まれた記憶をたどり、 1週間の仕事内容を整理する。
