国内橋梁に初のグリーンスチール/横河ブリッジ | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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国内橋梁に初のグリーンスチール/横河ブリッジ

新朝倉橋(左)と鏡山跨線橋の完成イメージ
 横河ブリッジは22日、温室効果ガス(GHG)排出量が低い鉄鋼、いわゆる「グリーンスチール」を国内橋梁業界として初めて橋梁上部工工事に使用すると発表した。使用部材はマスバランス方式により鋼材製造時のCO2排出量を100%削減している。同社は、カーボンニュートラル(CN)社会実現に寄与するとしている。
 これを導入した施工現場は、国土交通省九州地方整備局発注の「福岡201号新朝倉橋(上り線)外上部工工事」(福岡県香春町)。同工事の新朝倉橋と鏡山跨線橋の2橋梁に、日本製鉄の「NSCarbolex Neutral」、神戸製鋼所製の「Kobenable Steel(Premier)」を使用する。ともにマスバランス方式を適用したグリーンスチールとなっている。
 マスバランス方式のグリーンスチールとは、鉄鋼メーカーがGHG削減プロジェクトで生み出した削減量を組織内でプールし、そのGHG削減量を任意の製品に配分して証書と共に供給した鋼材となる。
 最近、製品生産プロセスでGHGを排出する産業を脱炭素化する重要性が強調されている。中でも排出量が多い鉄鋼分野については、取り組みが注視されている。
 今回の工事では、総合評価方式が採用され、その評価項目の一つにCNの実現が設定されていたため、横河ブリッジは技術提案の一つとして「グリーンスチールの使用」を提案し、採用された。
 新朝倉橋は橋長58m、最大支間長56.6m、支承4基。鏡山跨線橋は橋長54.5m、最大支間長53.1m、支承4基。いずれもトラッククレーン工法で施工する。工期は2025年6月30日まで。