一括審査の積極採用要望/設計データ閲覧改善も/橋建協と九州整備局 | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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一括審査の積極採用要望/設計データ閲覧改善も/橋建協と九州整備局

 日本橋梁建設協会(川畑篤敬会長)は2月28日、福岡市のオリエンタルホテル福岡で九州地方整備局との実務者による意見交換会を開いた=写真。一括審査方式の積極採用や発注見通しで公表する工事概要のより詳細な明示、設計データの閲覧方法の改善などを求めた。 協会からは広報委員会の田中耕太郎幹事長、企画委員会の白石薫幹事長ら幹部、整備局からは企画部の阿部成二技術調整管理官、小林秀典技術開発調整官らが出席した。
 田中幹事長は、2023年度に同局が発注した鋼橋上部工の多さに感謝した上で「発注件数が多い場合は、多くの会社にチャンスが回ってくる一括審査方式の採用案件を増やしてほしい」と要望した。4月からの時間外労働の罰則付き上限規制にも触れ、「受発注者双方の残業時間の削減と長時間労働の是正に努めなければならない。お互いの仕事が楽になるように意見を交わしたい」と述べた。
 阿部管理官は「建設産業がないと国は成り立たない。皆さんが適正な利益を上げることが非常に重要だ」と強調し、「現場で困っている内容を聞き、発注者として改めるべきことは改めたい」と応じた。
 技術者確保の観点から、発注見通しの工事案件に概算重量や最大支間長、架設工法、配置予定技術者の専任開始時期などの記載を求めた。同局は「技術提案や積算を含め、無駄な作業を減らし、少しでも競いやすく、参加しやすい場にすることが重要」との認識を示す一方で、現場作業や設計が追いついていないことから「少しずつ良くしたい」と前向きに応じた。
 技術提案の参考とする設計成果品の閲覧方法などの改善を求めた。現在は、設計成果品の閲覧は指定された保存場所から閲覧可能で、公告前の閲覧やダウンロードはできない。閲覧期間は申請書資料の提出日までとなっており、ダウンロードが難しい場合は入札日まで閲覧を延長するよう求めた。同局は「設計成果品の事前公表やダウンロードに対応している東北地方整備局やほかの地方整備局を参考にする」と応じた。
 また、競争参加資格確認申請書のコリンズ登録カルテ(写し)添付の省略や申請書の提出期限の延長、提出締め切り日の月曜日や祝日の翌日の除外などを要望した。同局は「全体のバランスを考えながら少しずつ改善したい」と述べた。
 オーバースペック対策として技術提案課題にも議論が及んだ。協会は、環境対策(騒音、水質汚濁対策、カーボンニュートラルの取り組み)の課題からの除外を求めた。これに対して同局は「望ましい課題はほかにあるかもしれないが、国際的な競争の中で日本の業界が生き残るために必要だと考えている」と強調し、趣旨を説明した。
 このほか、入札を辞退した会社の総合評価の点数開示、少数主桁橋や合成床板の採用といった要望があった。