森永跡地に17万平米物流/地域と一体へ11月着工/葛飾特定目的会社 | 建設通信新聞Digital

5月9日 木曜日

関東・甲信越

森永跡地に17万平米物流/地域と一体へ11月着工/葛飾特定目的会社

 東京都葛飾区にある森永乳業東京工場跡地の計画概要が明らかになった。土地を取得した葛飾特定目的会社は、マルチテナント型の倉庫棟と地域貢献施設棟からなる総延べ約17万㎡の施設を整備する方針だ。今後は11月の建築工事着手に向け、実施設計や協議などを順次進めていく。 事業区域は、奥戸1-29ほかの約6万9000㎡。倉庫棟の計画規模は、5階建て約16万6900㎡。建築面積は約3万6500㎡となる。地域貢献施設棟は2階建て延べ約1000㎡を想定し、建築面積は約750㎡。
 整備に当たっては「地域と一体になる敷地計画」を目指す。倉庫は住民や緊急車両の避難場所としての利用を想定し、ヘリコプターのホバリングスペースも提供する。倉庫棟の屋根約2万7090㎡には太陽光パネルの設置も検討しており、電気自動車の充電スペースや節水装置の整備、既存樹木の再利用などにより「環境に優しい倉庫」づくりを推進する。
 地域貢献施設棟は、1階に防災備蓄倉庫、2階に飲食店や会議室を整える方針。施設棟エリアには子ども・地域とのふれあいの場を整え、中川沿いにカフェテリアを整備。盆踊りなど地域イベントの開催場所も提供する予定。住民説明会での意見なども踏まえ、騒音や電波障害対策も施した計画とする方針だ。
 11月ごろまでに実施設計と既存建物の解体を進める。都のスーパー堤防事業など、関連する協議を進め、同月に建築工事に着手する見通し。工期は22カ月半程度を見込み、2026年9月末の竣工を目指す。
 企画設計はランとF・E・Cが担当している。
 森永乳業は、22年2月に同跡地の売却を決議。CBREインベストマネジメント・ジャパンが資産運用する葛飾特定目的会社を譲渡先としていた。