日建・村田JVを特定/高度医療・人材育成拠点整備基本・実施設計/広島県 | 建設通信新聞Digital

5月9日 木曜日

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日建・村田JVを特定/高度医療・人材育成拠点整備基本・実施設計/広島県

 広島県は、WTO対象による公募型プロポーザルの手続きを進めていた「高度医療・人材育成拠点整備工事に伴う基本設計および実施設計委託」の審査結果を公表した。審査の結果、日建設計・村田相互設計JVを特定した。近く契約する。参考業務規模は約15億円(税込み)を上限としている。26年度着工、30年度工事完了、開院を目指している。 日建・村田JVは「未来の高度医療と人材育成の舞台を整え、県民の信頼に応える、フラッグシップ・ホスピタルの実現」をテーマに掲げ、▽入院・外来・感染を入口で分けた、わかりやすい動線計画▽研究・打ち合わせ・休憩の場で人材交流を活性化するスタッフコモンズ、搬送合理化で医師を中心としたスタッフの働き方改革に対応▽成長と変化に対応する持続可能な環境整備▽災害時の対応エリアを、立駐・外構を含めてあらかじめ想定して実装▽患者の療養環境を守り、柔軟な看護運用が可能な病棟計画--を提案している。
 審査部会(部会長・河合慎介京都府立大学大学院生命環境科学研究科環境科学専攻・建築計画学研究室教授)による講評では、日建・村田JVの提案について、合理的な敷地内通路となっている土地利用計画、敷地形状から生まれる二つのブロックに挟まれた三角形部分を「デルタホール」と称し、前提の動線の基点として位置付ける考え方のほか、高潮による最大親水時の安全対策、段階的に感染対応エリアを拡張することができる病棟の提案などが高く評価された。
 業務内容は、同工事に伴う基本設計、実施設計。履行期間は2026年7月31日まで。
 計画では、大都市圏の病院に肩を並べる全国トップレベルの医療を提供し続ける病院を目指し、県立病院(712床)、JR広島病院(275床)、中電病院(248床)を統合する。
 規模は、新病院新築がS造(免震構造)地下1階地上16階建て塔屋1層延べ9万6000㎡程度(病床数1000床)、立体駐車場(既設JR広島病院の一部を解体・改築・改修して用途変更)がRC・S造(同)5階建て延べ1万8000㎡程度、院内保育所新築が2階建て(構造未定)延べ900㎡程度。工事費は850億円(税込み)を見込む。
 建設地はJR広島駅新幹線口前の二葉の里地区(広島市東区二葉の里3)の敷地2万6137㎡。