
28日、最大震度7を観測した2026年熊本地震の発生から1カ月が経過する。約10万8000戸に達した断水は約300戸(27日午前10時現在)まで縮小し、九州自動車道の通行再開や八代港の大型船受け入れ、応急仮設住宅の着工など、社会機能は急速に回復している。今後は、震災直後の応急復旧から本復旧・復興のフェーズへと移る。10年前の熊本地震の経験を踏まえた創造的復興を模索する時期を迎えている。
被災した道路・橋梁では、国道219号新萩原橋(熊本県八代市)や九州自動車道川田橋(同)などが応急対策で通行再開がかなったものの、本復旧に向けた健全度調査や災害査定といったプロセスはこれからが本番だ。一方、日奈久断層直上の南九州自動車道妙見第一橋(同)は落橋防止システムで落橋を免れたものの、1メートルを超える激しい段差や変位で交通再開のめどは立っていない。同橋の復旧は、トンネルに隣接する中で勾配をどう修正するかなど、想定を超える地盤変位を受けた構造物を直す極めて困難な技術的挑戦となる。
水道も今回の震災を象徴するインフラの一つとなった。気温40度に迫る猛暑で断水による衛生面のリスクが高まる中、地上仮設配管のバイパス敷設や給水車の配備、さらには個人所有の井戸を洗浄・修繕する前例のない公的支援を総動員した。しかし、本管が通った後も、宅内配管という「ラストワンマイル」の修繕が残り、その工事の増加が見込まれるため、工事業者を紹介するコールセンター設置などによるマッチングが急がれる。
機能を一時的に回復する応急復旧を終え、これからは国との災害査定を経て、恒久的な工法や事業費を確定させ、本復旧へと移行する。震災から1カ月、復旧・復興への道のりはスタートラインに立ったばかりだ。
