福島県病院局が、はりゅうウッドスタジオ(福島県南会津町)+ナスカ一級建築士事務所(東京都新宿区)JVに委託して進めている宮下病院建替事業の基本設計がまとまった。看護のケアリングの考え方を地域まで広げる「ケアリング・コミュニティ」の拠点を設計コンセプトに、奥会津の安全・安心を支える。
基本・実施設計の委託期間は2025年1月6日まで。25-26年度に進入路の建設と造成工事、26-27年度に建築工事を進める。27年度末に開院し、現病院の解体に入る。
病院は、三島町大登寺沢976の敷地約1万0300㎡に移転、建て替える。 規模は2階建て延べ2655㎡。19床で診療科は内科、外科、整形外科、精神科、皮膚科、耳鼻咽喉科。ほかに訪問診療・看護などの在宅医療の拠点機能や地域住民向けに健康教室などを開催できる多目的ルームを設ける。
構造は、RC造と木造の組み合わせによる木造化とし、柱や梁などの主要部材に県産材を積極的に使う。 1階に外来やバックヤード、2階に病棟を配置した明快なゾーニングで、病棟は中央と北面にスタッフエリアを集約し、病室は東・西・南面に配置して採光を確保する。
1階は、南側に大きな軒下空間を設け、回遊廊下などの内装材などを木質化し、ぬくもりを創出する。 患者や家族の不安を緩和し快適に過ごせる空間として、個室を確保するほか、4床室は1床ごとに窓を設け、プライバシーにも配慮するという。
【公式ブログ】ほかの記事はこちらから
建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら