【10月放送開始】地域・市民・県民を照らす希望の灯火に 東日本放送新社屋が完成 | 建設通信新聞Digital

5月5日 日曜日

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【10月放送開始】地域・市民・県民を照らす希望の灯火に 東日本放送新社屋が完成

 東日本放送(KHB、佐藤吉雄社長)が仙台市の副都心・あすと長町に竹中工務店の設計施工で建設を進めていた新社屋が竣工し、5日に現地で記念式典が開かれた。CMR(コンストラクション・マネジャー)は山下PMCが担当。エントランスの内装や放送設備などの工事を進め、10月からの放送開始を目指す。

特徴的なコラボ階段と鉄塔を備える外観


 テレビ朝日系列の同社は、1991年に市中心部の青葉区上杉から現社屋(双葉ヶ丘2-9-1)に移転。施設の老朽・狭あい化と最新の放送設備機器への対応に加えて、利便性が高く地域と交流できる場所として、開発が著しいあすと長町地区に移築する。

 規模はS造4階建て塔屋1層延べ8510㎡。建物の中心に放送局の中枢機能をレイアウトし、放送設備のコンパクト化やシンプルな動線で、災害時などに迅速な放送を実現する。スタジオは吸音材の配置やホリゾント角度などをシミュレーションで検討し、最適な音場とした。

 隣接する杜の広場に大きく開かれた1階エントランスホールは、住民に常時開放され、カフェやグッズショップなどが入居。スタジオ用を想定した音響性能を誇る“ぐりりホール”には178席の収納式観覧席や250インチの大型スクリーンなどを備える。

 2-4階の執務ゾーンを貫くように計画された“コラボ階段”は、大きな吹き抜け空間として各階の連続性を持たせつつ、従業員の交流を促すコラボスペースやリフレッシュスペースなども配置。斜めの大空間から生まれる風の流れを生かして温熱環境を最適化する。

 建物全体のダイナミックなデザインと調和し、反時計方向に回転する“上昇気流”をイメージしたツイスト鉄塔は、シンボルとして、夜間に16パターンでライトアップする計画だ。建設地は同市太白区あすと長町1-3-15。

 この日の神事には佐藤社長を始め、児玉正孝竹中工務店取締役専務執行役員や川原秀仁山下PMC社長ら関係者が出席。代表者が神前に玉ぐしをささげた。

 席上、あいさつに立った佐藤社長は「(コロナ禍で)明日を見通せない中、新社屋はわれわれの道しるべであり、地域・市民・県民を照らす希望の灯火となる放送局として歩みたい」と強調。川原社長は「KHBが周辺を巻き込んでさらに大きなスパイラルに広げていく1つ上の社会ステージとなることが真の到達点だ」とし、児玉専務は「われわれがつくった“器”に、放送設備という神経や血管が巡らされ、秋に業務が始まればハートが宿る。ここから新しい風を吹かせてほしい」と語った。

コラボ階段で関係者が記念撮影



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