フジテックは、国際展示場「東京ビッグサイト」(東京都江東区)で一番長いエスカレーターのリニューアルを完了させた。全長45mで、高さはビル6階に相当する22mに及ぶ。一般的なビルのエスカレーター5台分に当たり、1台で1階から6階の会議棟まで移動が可能だ。同社製のエスカレーターとしては国内最長という。
東京ビッグサイトでは、1995年10月の竣工時から稼働している同社製エスカレーターの安全性の維持、機能性の向上を目的にリニューアルを段階的に進めている。稼働するエスカレーター12台のリニューアルの工期は、2023年7月から25年5月まで。このうち8台のリニューアルが今年8月に完了し、その中の2台が最長のエスカレーターとなる。
今回のリニューアルでは、さまざまな技術を取り入れた。その一つが「エコ」と「短工期」の両立に向け、継続利用が可能な既設部品を流用する工法「制御リニューアル」の採用だ。廃材が減少する上に工事箇所も減るため、フルリニューアルよりも短工期で完成する。今回はトラスや欄干を流用し、駆動系・制御系の主要機器を更新した。
さらに、高さ22mになると、主要部品が一般より大きく重いため、この現場専用の施工機材・門型治具を開発・導入して、重量部品の取り付けと取り外し、移動を行った。
リニューアルに合わせて、新たに「ドレスガード」も設置。ステップ左右にブラシが付いているため、靴や衣服の巻き込みを防ぎエスカレーターを安全に利用できる。
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