◇新鮮な発想と無限の可能性に期待
A 1日に建設産業各社で入社式が開かれ、未来の建設業を担う新入社員が新たなスタートを切った。入社式の様子はどうだったかな。
B 各社のトップからのメッセージでは業界の慣習が次々と変わっていく中、前例にとらわれない柔軟な発想を求める声が目立った。「業界の中で最も新しい目を持つ皆さんが企業の成長の原動力となる」といった言葉で新入社員の限りない可能性に期待を寄せるトップもいた。遠慮をせずにフレッシュな視点を生かして、失敗を恐れずに挑戦していってほしいね。
C 建設業はチームで仕事に取り組むことになることを踏まえて、社内外でのコミュニケーションを積極的に取り、仲間と切磋琢磨(せっさたくま)するよう呼び掛ける訓示もあった。仕事をきっかけに多くの仲間とつながり、建設業界ライフを満喫してほしい。研修などで慣れないスケジュールをこなすことになり、ストレスを感じることもあるだろう。そんな時は、同期だけでなく頼れる先輩方も、力強く助けてくれるはずだ。
B 建設業の特性として、転勤が多く、屋内外の厳しい環境で作業することもあるだろうが、さまざまな人事施策、処遇改善も各社で進み、多様な人材が活躍し、働きやすくなるような環境が整ってきている。これから生活に必要不可欠なインフラ整備に携わり、重い使命を担うことになるが、誇りを持って仕事に臨んでほしい。
C 建設人、そして人間としても大きく飛躍してほしいという期待が伝わるといいね。われわれも紙面で建設業界を盛り上げることでサポートしていきたい。それぞれの仕事で夢をかなえ、晴れて紙面を飾る日が来ることを今から楽しみにしたい。
◇個性生かし変化の時代に柔軟対応
A 1日からは経営トップにも新たな顔ぶれが並んだ。インタビューもしているけれど、印象はどうかな。
D 清水建設の新村達也社長は優しさの中にぶれない芯があるイメージを受けた。施工管理を担当した建築物がBCS賞を2年連続で受賞した経歴を持ち、「難しければ、難しいほど燃える」と語るなど、まさに技術者の王道を行くといったところだね。
E 好対照と言えるのは、大林組の佐藤俊美社長だろう。創業家を除いて同社では事務系初の社長で、新事業領域の拡大を掲げる大林組の姿勢が色濃く表れている。醸し出す雰囲気は紳士そのものだ。海外や財務、M&A(企業の合併・買収)に精通し、グループ全体を見通した経営手腕に期待が集まる。
F 新しい風という意味では、青木あすなろ建設の望月尚幸社長も出色の人物だ。ゼネコンの社長は生え抜きや系列会社から迎え入れられることが多い中、同業の清水建設、日本国土開発やコンサルタントといったキャリアを経て抜てきされた。得意とする分析を生かし、改革の先導役として辣腕(らつわん)を振るう。
G 飛島建設の築地功社長は飛騨トンネルの工事に8年携わるなど土木を中心に技術畑を歩んできた。人柄は朗らかで真面目という印象。前任の乘京正弘会長とは大学の先輩後輩の間柄だという。昨年発足した飛島ホールディングスグループの中核企業として、けん引役を担う。
A まさに多士済々といったところだね。国内外の政治・経済状況が刻一刻と変化し、先を見通すことが困難な現代において、会社経営は並大抵のものではない。従来の経営スキルに加えて、変化に対応できる柔軟性が必要となる。それぞれ個性を発揮した活躍に期待したい。