【国交省と民間12チーム】低コストに洪水時の水位を計測せよ! 官民開発チームが試験計測開始 | 建設通信新聞Digital

5月4日 土曜日

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【国交省と民間12チーム】低コストに洪水時の水位を計測せよ! 官民開発チームが試験計測開始

報道陣に試作機器を説明する民間企業チーム担当者ら

 国土交通省は、民間企業チームと開発中の「洪水時に特化した低コストな水位計」を横浜市の鶴見川水系鳥山川に設置して試験計測を開始した。7日に開かれた現地見学会では、民間企業・団体21者12チームが試作機器を披露し、今後はことしの台風期に鳥山川の水位上昇時に計測を行い、2017年度内に計測の確実性や計測データの精度などを検証した後、18年度から国が管理する全国の河川に設置を進めていく。
 開発チームは、▽情報通信研究機構、クレアリンクテクノロジー、アラソフトウェア、パシフィックコンサルタンツ▽河川情報センター、応用地質▽東建エンジニアリング、東京建設コンサルタント▽日本工営▽日油技研工業▽坂田電機、応用地質、NTTドコモ▽日本アンテナ▽日本無線、イートラスト▽日立製作所、オサシ・テクノス▽富士通、ソニック▽富士通、沖電気工業、河川情報センター▽NECネッツエスアイ--の21者12チーム。
 いずれの機器も長期間メンテナンスフリー(無給電で5年以上稼働)、省スペース(橋梁などへ容易に設置可能)、初期コストの低減(機器設置用は1台100万円以下)、維持管理コストの低減(モノがインターネットでつながるIoTと合わせ通信コストを縮減)を特徴としている。
 試験機器の設置場所は、横浜市港北区鳥山町地先の鳥山川で、又口橋・又口橋人道橋に橋梁設置型6台、左岸堤防に堤防設置型7台を配置。常時1時間間隔で計測し、出水時は5分間隔で計測してデータ転送を行い、計測水位は各チームのクラウドサービスで表示する。
 中小河川では、予算的な制約などで水位計が設置されていない河川が多く、洪水時の避難行動の目安となる水位が把握できないため、逃げ遅れによる人的被害が発生している。
 国交省では、民間チームとともに洪水時に特化した低コストな水位計を開発することにより、都道府県などが管理する中小河川などへの水位計の普及を支援し、水位観測網の充実を図っていく。

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